早々に「石破おろし」? 

こうして石破首相や党執行部の「判断ミス」も重なり、15年ぶりの過半数割れに追い込まれた与党。

石破首相は投開票日の夜、テレビ朝日のインタビューの中で「現在の(首相の)職責をこれからも全うする考えか」と問われ、「そういうことです」と述べた。

森山裕幹事長(自民党HP)
森山裕幹事長(自民党HP)

しかし、自民党内からは「投開票日前から『石破首相は投開票翌日にも内閣総辞職を表明するのでは』という観測が永田町で流れていた。そうならなくても、石破おろしは起きるだろうし、政権運営は行き詰まるだろう」との声が上がる。

すでに、約1ヶ月しか経っていない石破内閣・党執行部は瓦解しつつある。

内閣では、牧原秀樹法相、小里泰弘農水相の2閣僚が落選。党四役の一人である小泉進次郎選対委員長は「選挙はいかなる結果であろうとも、選対委員長である私の責任」と述べ、選対委員長を辞任した

森山裕幹事長は続投する意向だが、「裏公認料2000万円」問題などをめぐって責任を問う声は大きい。

「森山氏の責任は大きい。だが森山氏が辞めたところで、先が長くないであろう石破首相のもとで、党幹部を引き受ける人がいるか。菅政権が末期に人事で立ち行かなくなり、退陣に追い込まれたことを思い出す。党内で好かれていない石破氏を首相にしたのは、選挙に勝つためだけだったので、選挙で大敗した石破氏を首相として担いでいる意味はない」(自民議員)

2025年夏には参院選も控えており、党内では「参院選は別の首相のもと戦う」との見方から早くも「ポスト石破」の名前が取りざたされる。

石破首相が退陣し、党則で定められた「特に緊急を要するとき」と判断されると、総裁選は9月のようなフルスペックではなく、国会議員と都道府県連の代表による投票で行われる見込みだ。

林芳正官房長官(本人Xより)
林芳正官房長官(本人Xより)

「党員投票のない総裁選だと、党員人気が頼みの綱の高市氏にとっては不利でしょう。しばらく衆院選もないと、今回の総裁選ほど国民人気は求められない。政策の継続性、安定性の観点からも林芳正官房長官らが軸になってくるのでは」(全国紙政治部記者)