「保育士なら優しい男性だったんじゃないか」
自らが被害に遭った「闇バイト強盗」については、こんな風に感じているという。
「この間、警察に調書を確認しに行った時に、ウチにきた犯人は逮捕された2人で終わりといったことを聞きました。
これは推測ですけど、最初のドーン、ドーンという音自体も間をあけてしましたし、ガラスが割られるまで10分間くらいかかってます。ひょっとしたら気づいて欲しかったのかなって。
ほんとはやりたくないから、気づかれたから逃げたって(指示役に)言えるじゃないですか。1人は自首してるし、そんな気持ちもあったのかなと思います。実際、最初の音で通報してれば彼らがウチにいる間に余裕で警察が到着していたはずです」
ガラスを破るのにはブロックを使った形跡があったが、ここにも犯人2人の躊躇した様子が垣間見られたという。
「ブロック塀はウチの近くにあったものを使用していますが、ウチのガラスは5ミリあるんで相当頑丈なんですよ。報道では指示役と繋げたままやっていたということでしたが時間に間隔を空けていたのは、まあ、躊躇や葛藤があったのかもしれませんね。
ただ、家族も全員、いまだに恐怖心があるし、これだけ怖い思いさせられてやっぱり許せないですよ。それにしても闇バイトみたいな馬鹿らしいことを何でやってしまうのか。
犯人にしても、自分の親兄弟が被害に遭ったら相当怒るはずですよ。もし軽い気持ちでやっているなら今一度考え直して欲しいです。
彼らのことを庇いたいわけじゃないですけど、身の上がわかってくると、保育士なら優しい男性だったんじゃないかとか思ってしまいます。犯人もまた脅されてやって怖かったんだろうなって。
保育士って給料も大変だって聞きますし、結婚してんのかな、子どもいるのかなとか余計なことまで考えちゃいます。許せない一方で同情してしまう部分もあるんですよね……」
容疑者2人は完全な素人。被害に遭った男性は現場の状況からそう直感したという。
普通なら窓ガラスを割ったらその穴から鍵を開け、侵入しそうなものだが施錠はそのまま。大きく割れた危険なガラスの穴から室内に入り込んだだろう彼らは、手袋も用意していなかったのだろう。破片で多数の切創を負い、おびただしい出血をした形跡が至るところで見つかった。
何が実行犯をここまで凶暴な犯罪に追い立てるのか。捜査本部が指示役ら強盗団のリーダーを捕縛して初めて、一連の事件解明の幕は上がる。
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取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班