必要以上に自分のせいにするクセ
スー そう考える方が遅刻はしないと思うけど、それこそすべてを自分がコントロールするのは不可能。防ぐのは難しいよね。泥棒に入られたときに、鍵をかけ忘れた自分の方が泥棒より悪いって自分を責めちゃう人がいるじゃない? 防衛することは大切だけど、私だったら「圧倒的に泥棒が悪い」って判断。
サク そうね。泥棒は悪いよね。だけど、それを差し引いても、もっと自分にできることがあるんじゃないかという思考が働くのよ。必要以上に自分のせいにするクセがある人は、育ってきた環境が影響している可能性があるんだよね。
親が絶対という環境で育てば親の顔色をうかがうし、親の機嫌が悪いのは自分に原因があると思わされてしまう。自分が主人公で人生を動かすというより、世界に合わせなければと思ってしまうの。
スー 子どものサクちゃんにとっては親の顔色をうかがうのは必要な生存戦略だったから、そうなっても仕方ないと思う。
サク ただ、社会に出たらもうそのクセはやめていいはずなのに、なかなかやめられなかったのが問題だよね。世の中はイヤなことばかり起きるし、イヤな人がたくさんいるという世界観がしっかり身に染み込んでた。
イヤな人対策が万全だから、イヤな人がいる前提でいたのよ。社会ってイヤな人ばかりじゃないって今はすごくよくわかるよ。でも、あの頃はそれ以外の考え方を知らなかった。イヤな人の対処ができる人と思われると、イヤな人がさらに寄ってくる悪循環もあって、実際にイヤな人ばかりだと信じていたんだよね。
スー そうだったんだ……。自分の照明係って自分じゃない? どこにライトを当てるかが私は重要と思っていて。「人の顔色」ではなくて「主人公の自分」に光を当てると、あれ??って事態が変わって見えることもあるんじゃないかと思うんだけど。
サク たしかに固定されているものだと思い込んでいたけど、ライトは動かせるんだよね。動かしていい、動かすのは自分って気がつくまでに時間がかかったな。
スー 「主人公は自分」というライトが強いのが私。それこそ山が動くぐらいの勢いで信じる力が強いから、思い込みゆえ間違えることもある。