非裏金議員は「ライバルが減る」と歓迎 

今回、非公認や比例復活なしの対象となった議員のほとんどは、かつて石破氏とは距離のある安倍派に所属してきた。そのため、もともと党内でくすぶっていた石破支持派と、反石破派の対立は、より深まった形だ。

それだけでなく、総裁選で石破氏を支持していた平沢勝栄氏(旧二階派)も公然と「この問題に関する決定プロセスには理解に苦しむものもあります」とコメントを発表。裏金議員の間で石破氏への不満は広がっている。

平沢勝栄氏が発表したコメント(本人Facebookより)
平沢勝栄氏が発表したコメント(本人Facebookより)

ただ、党内からは「石破おろしは早々に起きるかもしれない。こんなことをされると、2025年の参院選でも、2028年の参院選でも、裏金議員の処遇問題を蒸し返される」という声もある一方で、「裏金を作っていなかった議員からすると、裏金議員の比例復活を認めれば『比例で自民に投票して裏金議員を救うのは嫌だ』という動きが強まるところだった」という安堵の声も。

「比例復活できるかどうかは、他選挙区の自民候補との惜敗率の勝負になる。比例名簿に載る候補が減るだけでも、ライバルが減る」(非裏金議員)というわけだ。

実際に小選挙区で落選した場合、大半の地域では、複数県の自民候補と数議席を奪い合う構図となり、惜敗率数ポイントの差が明暗を分ける。

自民に逆風が吹く今回は、小選挙区で負ける自民候補が増える一方、自民に配分される比例の椅子も減って競争が激しくなることが十分予想されるため、ライバルは一人でも少ないほうがいいというわけだ。