「指輪はないのか? 宝石はないのか?」と、とにかくしつこかった

翌日、見たこともない若者が訪ねてきたと思ったら、奇妙なことを言い出したという。

「若い男性が『昨日酔っ払って自分のバッグをおたくの庭に投げ入れてしまったので、庭を見せてほしい』と突然来訪してきたんです。

ごく普通の好青年風でしたが、近所で見かけたこともない人だし、庭に入れるのには抵抗があったので『バッグなどありませんでしたよ』と断ったのに、『一回庭を見せてください』としつこいんです。

それも外から投げ込んでもそんな方向にはいかないだろうというところを見たがるので『もし見つかったら警察に届けます』と告げると引き上げていきましたが、下見のような気がして気持ち悪かったです。

3月には『押し買い業者』が電話をしてきて、手口がよくわからなかったのでつい家に上げてしまったことがあります。その時はサンローランの服を100円で何着か売りましたよ。

『指輪はないのか? 宝石はないのか?』ととにかくしつこかったです。どこから個人情報が漏れるかわからないので怖いですね」

国分寺の現場(撮影/集英社オンライン)
国分寺の現場(撮影/集英社オンライン)

別の近隣女性も怯えたような眼差しでこう答えた。

「物音にも気づかなかったし、事件直前に不審な人を見かけたわけではありません。でも、今年に入ってから被害者のお宅にリフォームが入っていて、その業者が『○○さん(被害者)のお家を直しに来ているんですが、お宅は大丈夫ですか』とウチにも営業に来たんです。

屋根は気づかないうちに傷んでいることもあると業者が言うので、登って見てもらいました。

でも『ご主人の仕事は何ですか?』とか関係ないことばかり根掘り葉掘り聞くので、怪しいと感じて断ったんですよ。

しかも作業中に通りかかった近所のおじいちゃんが『ウチはやらねえから来んじゃねえ』と文句を言っていたぐらいなので、何か揉めたのかなとも思いましたし……。とにかくそういうところから情報が漏れてるなら私も怖いなってちょっと思ってます」