事件の10日ほど前の深夜、私の家でもガチャガチャと…

捜査関係者によると、所沢市北野町の住宅に1日午前2時10分ごろ、男4人が1階勝手口の窓ガラスを破って侵入、住人の男性(85)と妻(83)の手足を粘着テープで緊縛。

このうち男性に刃物で切りつけて全治約2週間のけがを負わせたうえ、現金8万円を奪って逃走した。

男性は侵入時の物音に気づいて110番通報しており、現場に急行した警察官が逃げ遅れた前橋市の飲食店店長・海藤貴志容疑者(43)を現行犯逮捕。

同4時40分ごろ、現場にタクシーで戻ってきた神奈川県小田原市の自称アルバイト、佐藤聖峻容疑者(24)と、付近をうろついていた自称住所・職業不詳、和佐裕夢容疑者(28)の2人を確保して職務質問し、通常逮捕した。

3人とも「秘匿性の高い通信アプリで仕事を受けた」と容疑を認め、国分寺市の事件についても関与をほのめかしており、県警は逃走したもう1人の行方を追っている。

逃走する強盗団(防犯カメラ映像より)
逃走する強盗団(防犯カメラ映像より)
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「前日の9月30日未明には、国分寺市西恋ヶ窪の住宅に数人の男が押し入り、住人の60代女性の顔面などをハンマーで殴ったうえ粘着テープで縛って逃走しています。

逃走時に分乗した筑豊ナンバーの乗用車と春日部ナンバーの軽乗用車が、所沢の事件現場から徒歩約10分程度のコンビニの駐車場で見つかりました。

いずれも本人や親戚の名義の車で、アシが付くことを恐れない大胆な犯行というより、素人丸出し感があります。

3人ともSNSで闇バイトに応募し、指示役に身分情報を握られたために抜け出せなくなったと供述しています。典型的なトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)の手口ですね。

9月28日未明にも練馬区大泉町の住宅に数人の男が侵入する強盗事件が発生、警視庁が実行役3人を逮捕し、現場から逃げた2人の行方を追っています。

この3件に加え、最近首都圏で頻発しているトクリュウ型の強盗事件について、指示系統に関連性があるかどうかなどを捜査当局の広域捜査担当が分析を進めています」(社会部事件担当デスク)

国分寺市の現場は、JR西国分寺駅から徒歩約10分の住宅街で、一軒家の立ち並ぶエリア。被害者宅が取り立てて目立っているということもなく、近くに住む女性もこう表情を曇らせた。

「事件当日は何か物音がしたとかそういった事には気づかなかったのですが、朝早く出かける主人が『外にパトカーが何台も停まっている』と驚いていました。

被害者の60代の女性は一人暮らしで、10年ほど前にお父さんを亡くされて、お母さんも1年ほど前に亡くされたようです。お父さんは警察官だったとも聞いたことがあります。

実は事件の10日ほど前の深夜、私の家でもガチャガチャと何かを鳴らす物音がしたことがあり、主人と『何の音だろう』と話したことがありました。その時は何の音か分からなかったのですが‥‥」

現場付近を出入りする警察官(撮影/集英社オンライン)
現場付近を出入りする警察官(撮影/集英社オンライン)