元ギャル男が語る“渋谷ギャルの裏の生態”

橋本環奈がヒロインを務める新・朝ドラ『おむすび』。2004年からスタートした物語は、橋本がギャル姿に扮することや、ギャルタレント・みりちゃむらが演じる「ギャル軍団」が登場していることで話題沸騰中。

おおむね派手で明るく元気な「平成ギャル」のポジティブ要素にスポットが当てられている。

ただ、『おむすび』で描かれるギャル要素はあくまで“表”の顔にすぎず、ギャルの“裏”の顔も知らないと、当時のギャルカルチャーを正しく理解したとは言い難い。

そこで、かつてはプライベートでギャル男をしており、渋谷系ファッション誌に約10年間携わっていた筆者が、ギャルカルチャー最盛期の1990年代後半から2000年代前半の、“渋谷ギャルの裏の生態”を振り返っていきたい。

左の男性がギャル男時代の著者だ
左の男性がギャル男時代の著者だ
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まず、ギャルはいつも渋谷でたむろしていたというイメージがあるだろうが、それはあながち間違いではない。

渋谷ギャルたちは主に東京・神奈川・千葉・埼玉に自宅があるのだが、夏場などは家に一度も帰らずに、1カ月間、渋谷界隈にい続けたというギャル集団もちらほらいたほど。

旧・宮下公園で野宿したり、カラオケでオールしたり、近場の“友達”の家に泊めてもらったりしていたのだ。

ちなみに彼女たちは家出をしているわけではないのだが、誇張や比喩ではなく、本当に40日以上、一度も家に帰らなかったというギャルも知っている。

現在、宮下公園だった場所はホテルや商業施設が連なる渋谷随一のオシャレスポット「MIYASHITA PARK」となっている 写真/Shutterstock
現在、宮下公園だった場所はホテルや商業施設が連なる渋谷随一のオシャレスポット「MIYASHITA PARK」となっている 写真/Shutterstock

風呂はどうしていたのかと思うかもしれないが、ギャルのトレードマークといえば焼けた肌の「ガングロ」――週に3~5回はそのガングロを維持するために日サロ(日焼けサロン)に通い、そこでシャワーを浴びているので衛生面は最低限保っていたのである。

また、もちろん“友達”の家に泊まったときもシャワーを借りられる。

さて、あえて“友達”と意味深長に書いていたのには理由がある。

「平成ギャル」というと性に奔放なイメージもあるだろうが、たしかに貞操観念がゆるゆるな子は多く、泊めてくれる“友達”というのは、男友達だったりナンパ男だったりすることもよくある。

言わずもがな、その晩はカラダの関係を持つ。恋愛感情はなくとも一宿一飯の恩義として、“友達”から求められれば性行為に至るのである。