もっこり首は首痛、肩こり、むくみ、首のシワの原因に

もっこり首や肩の丸さは、老け見えがちという見た目のことだけでなく、体の不調にもつながります。

首の周りには脊髄、自律神経があるため、首の後ろが硬く、脂肪がついていると神経を圧迫してリンパや血液の流れが悪くなります。そのため、頭痛、首痛、肩こりなどの不調や、顔のたるみや、首のシワなどの原因にもなります。

また、リンパの流れが悪いので首や肩からはなれているのに足がむくみやすくなったり、代謝が落ちるため、脂肪がつきやすくなったりすることも。

そうならないためには、姿勢改善は不可欠です。特に長時間、スマホやパソコンを使うときは、猫背にならないように、ノートパソコンの画面の高さを調整するなどしましょう。

また以下、紹介するほぐしやストレッチをして、首や肩甲骨周りの骨や筋肉を動かすようにするのがポイントです。

まず動かす前に、首の可動域をチェックしてみましょう。首の後ろの出張っている骨を手で押さえて、首を天井に向けてみてください。

どれくらい上に向きましたか? 

もっこり首や肩が丸い人は可能なら家族に写真を撮ってもらうと、思ったほど上に向けていないのがわかります。

「もっこり首」をなめてはいけない! 放置すると首痛、肩こり、むくみ、首のシワ、老け見えも…原因と解消法は?_3

もっこり首は姿勢が悪いことで、首の下の皮膚が下に引っ張られ、さらに胸椎の上の部分の皮膚が上に引っ張られてしまい寄せ集められることで、皮膚が溜まった状態になります。

なので、まず首の皮膚と筋膜の癒着をはがして、滑りをよくしましょう。 

●ほぐし方
1 首の付け根を親指と人差し指でつまむ
2 下から上に持ち上げるように首の上までつまんで、1分ほどほぐす

「もっこり首」をなめてはいけない! 放置すると首痛、肩こり、むくみ、首のシワ、老け見えも…原因と解消法は?_4

次にストレッチを2つ紹介します。

ストレッチは、ただ首を曲げる、伸ばすだけでは効果はありません。首の後ろに脂肪がついている人は、首の付け根を支点にして、首の骨全体を固めて動かしているケースがとても多いです。

そのため、その下に脂肪がついたり、その場所にシワが入ったりしてしまいます。
曲げ伸ばしの支点を肩甲骨の下(胸椎)にして、そこの骨まで一つ一つを動かす意識で行っていただけると、ストレッチの効果は高くなります。

ストレッチのポイント(写真提供:GENRYU綜合整体)
ストレッチのポイント(写真提供:GENRYU綜合整体)

●ストレッチ1
1 頭の後ろで手を組み、そのまま首の後ろを伸ばすように頭を下げる
このとき、首の付け根から首全体を曲げるのではなく、頭の付け根の骨から肩甲骨の下の骨までをドミノ倒しのように、一つひとつ動かす意識で曲げていきます。

2 一度姿勢を元に戻し、背筋を伸ばす
再度両手は頭の後ろで組み、両肘を外側に張り出すことで、肩甲骨を内側に寄せます。
そこからゆっくり、頭を上げて首を後ろに倒します。

このときも先ほどと同じく、首の付け根から首全体を伸ばすのではなく、頭の付け根の骨から肩甲骨の下の骨までをドミノ倒しのように、一つ一ひとつ動かす意識で伸ばしていきます。

1と2の運動を1分繰り返します。

曲げ伸ばしの支点は胸椎。(写真提供:GENRYU綜合整体)
曲げ伸ばしの支点は胸椎。(写真提供:GENRYU綜合整体)

●ストレッチ2
1 両手の甲が背中につくようにして、腰より少し上のほうに置き、両肘を外側に張り出すことで肩甲骨を内側に寄せる

2 そのまま首を後ろに倒す

このとき上半身が倒れないようにするのがポイント。
このときも先ほどと同じく、首の付け根から首全体を伸ばすのではなく、頭の付け根の骨から肩甲骨の下の骨までをドミノ倒しのように、一つひとつ動かす意識で伸ばしていきます。首をゆっくり元に戻し、この一連の流れの動きを30秒ほど続けましょう。

肩甲骨の下の骨まで動かす。(写真提供:GENRYU綜合整体)
肩甲骨の下の骨まで動かす。(写真提供:GENRYU綜合整体)
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できれば1日3回くらい行うのがおすすめです。

これだけで、はじめにやった首の可動域が広がり、上を向きやすくなりますし、背中で合掌もできるようになり、首の動きが軽くなります。さらにリンパの流れもよくなるので、もっこり首の解消につながります。

座ったままできるストレッチなので、デスクワークの合間にやったり、体が温まったお風呂上りに行ったりするのもおすすめです。

もっこり首は老け見えするだけでなく、首痛や肩こり、むくみになどの不調につながるので、ほぐしやストレッチをして、首の動きが軽くなるようにしましょう。

取材・文/百田なつき