膝痛は伏在神経の圧迫によって引き起こされる

膝痛の原因は、加齢により膝の軟骨がすり減って膝関節が変形してしまう「変形性膝関節症」、膝関節のクッションの役割をしている半月板が傷んだり、亀裂が入ったりすることで痛みがあらわれる「半月板損傷」、膝関節の内側に炎症や痛みが生じる「鵞足炎(がぞくえん)」などがあげられますが、他にも、筋膜の癒着や靭帯の拘縮などが原因になっている場合があります。

一方、最近よく話題にあがるようになってきたのが、伏在(ふくざい)神経が圧迫されて、膝の痛みの原因になっているケース。
この場合、膝の周りを温めたり筋肉をマッサージしたりしても、あまり痛みの改善がみられません。

つらい膝の痛みの原因は座り方にあった? 温めてもマッサージしても治らない膝痛のためにほぐすべき意外な部位_1
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伏在神経とは太ももの内側中央から脛の内側にかけて位置していて、膝関節内側から脛の内側周辺までの感覚を司る神経線維で、主に膝関節の安定性やバランスに重要な役割を果たしていると言われています。

この伏在神経はその走行上、筋肉による圧迫を受けやすい場所を通っています。具体的には、太ももの中央内側にある筋肉の長内転筋(ちょうないてんきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、縫工筋(ほうこうきん)、大内転筋(だいないてんきん)に囲まれた筋性のトンネル「ハンター管」を通ります。これらの内ももの筋肉が固くなってしまうと、「ハンター管」内で伏在神経が圧迫されてしまい、「ハンター管症候群」と呼ばれる膝の痛みやしびれを伴う、膝痛を引き起こしてしまいます。

他に伏在神経に障害をきたす問題として、「仙骨の硬さ」があげられます。