アライとして誠実にLGBTQ+の方たちと向き合いたい

――これらの感想を読んでいると、受け入れる社会へと動いていると感じますね。

着実に前に進んでいると感じています。本を書くにあたって、1人の人間としてLGBTQ+の方たちと誠実に向き合いたいと思い、アライ(味方、同盟という意味で、LGBTQ+の人たちの社会的課題に寄り添い、一緒にそれを解決していきたいと思う人)であることも公言するようになりました。

本を出すことに迷いもありましたし、自分のやっていることが正しいことなのかと、悩みながらの執筆ではありました。今でもこれでよかったのかなと思うこともあります。ですので、読者の方からいただく感想は本当に励みになります。

読者の方には、すぐ隣にいる、普通に暮らしている人たちのこととして読んでいただきたいと思います。また、当事者の方には、この本を通してひとりではないよということを伝え、仲間がいることを知ってもらえればと思っています。

そして、たくさんの方に協力いただいてできあがったこの本が、多くの方に届いてほしいと願っています。

LGBTQ+当事者の子ども時代の体験談を児童文庫で小説化。著者が「子どもたちにこそ伝えたい」と語る“性のあり方”とは?_3
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きのうの君とみらいの君へ 〜思春期の6人の物語〜
天川栄人・作
新井陽次郎・カバーイラスト
くりたゆき・本文イラスト
きのうの君とみらいの君へ 〜思春期の6人の物語〜
2024年6月21日発売
825円(税込)
新書判/176ページ
ISBN: 978-4-08-321850-7
『きのうの君とみらいの君へ 〜思春期の6人の物語〜』
「女だけど恋したのは女の先生」「ゲイであることを友だちに隠している」「割り当てられた性別に違和感がある」など、セクシュアリティに悩んだ6名の主人公による6つの物語を収録。エピソードはいずれもLGBTQ+当事者への取材で聞いた実話がベースになっている。子どもたちに“何が起こったか”という出来事そのものよりも、“その人がそのときに何を感じ、何を考えたのか”に目を向けてほしいという思いから、インタビュー集ではなく、小説という形にまとめた1冊。
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(試し読み)https://www.shueisha.co.jp/books-cbs/c2082/c166-21062/