芸能人とインフルエンサー、明確な線引きが難しい

「職業に貴賎なし」の大原則には反するが、現実問題として芸能人が水商売を始めることに、“落ちぶれた”という印象を持つ人も少なくないだろう。

けれど、一昔前に比べると、近年はそのネガティブイメージがかなり軽減されてきているようにも感じる。

SNS全盛の現在は、カリスマキャバ嬢が何十万人というフォロワーを抱えるインフルエンサーとなっていることも珍しくない。話は少し逸れるが、セクシー女優のなかにも同じように多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーがおり、女性ファンも獲得している時代である。

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そして昨今は、芸能人とインフルエンサーの境界線が非常に曖昧になってきているのだ。

モデルやアイドルという肩書きの芸能人と、キャバ嬢やセクシー女優という肩書きのインフルエンサーを比較しても、人気や知名度で引けを取らないようになってきており、明確な線引きが難しくなってきている。実際、カリスマキャバ嬢がモデル業も行っているというのがよくあるケースなのはご存知のとおり。

要するに、水商売の地位が以前よりだいぶ上がっているという事実があり、ホステスやキャバ嬢を始めてもインフルエンサー的なブランディングをしていけば、一昔前に比べ“落ちぶれた”感はだいぶ緩和されている状況。

そういった時代背景から、“夜の蝶”になったことをカミングアウトすることへのハードルが下がってきているのではないだろうか。

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そもそも、おそらく昔から、芸能界で売れなくなって水商売に転身していたモデルやアイドルは数多くいたはず。ただ、以前は都落ちして惨めな存在だと思われてしまうため、公にせず密かに働いていたに違いない。

元トップモデルや元トップアイドルが後ろめたさもなく、堂々と“夜の蝶”デビューを公表できる時代に変わったということなのだろう。

文/堺屋大地 写真/Shutterstock