「家族をも巻き込んだ嫌がらせを受けてきた」

武岡氏はほどなく、三次市内の病院に入院した。同僚の市議はこう振り返った。

「武岡さんは入院中も議会のことを気にしていて、『石丸の政策を否決しないといけない』と漏らしていました。当たり前ですが“居眠り議員”のレッテルを貼られて家族をも巻き込んだ嫌がらせを受けてきたわけですから、悔しいし許せないという気持ちはあったのだと思います。

病態は胃に関するものということで、専門的な治療を行える岡山の病院に転院を希望していましたが、空きが出ないまま結局、三次市の病院で亡くなりました。奥さんも当初は前市長が許せないという気持ちはあったと思いますよ。通夜に訪れた全国紙の記者の取材に2時間近く答えていましたから。

でも、それもちゃんとした記事にならず『もうそっとしておいてほしい。かかわりたくない』という状態になってしまったんですよ」

失意のうちに非業の死を遂げた武岡氏。「その無念を少しでも世に知らせてほしい」と武岡氏の知人や同僚は声を揃える。また「石丸信者たちの嫌がらせが酷いから実名での掲載は勘弁してほしい」とも話していた。。

取材班は武岡氏の自宅も訪ねてみた。インターフォンを押して妻に取材の趣旨を伝えると、泣いているような震えた声が返ってきた。

「もうこりごりなんですよ、もう。ほんとに。触れたくない事ですので。主人も亡くなりましたし。もう関係ありませんので…」

最初は泡沫候補扱いだったのが2位に(撮影/集英社オンライン)
最初は泡沫候補扱いだったのが2位に(撮影/集英社オンライン)
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対立した多くの人が恐怖する石丸氏と“信者”とは何者なのか。巻き起こした旋風が通り過ぎた後に残るのは何なのか。きちんとした検証が求められるべきだろう。(♯5へ続く) 

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集英社オンラインニュース班