生徒の生死に関わる事項が書かれることも…
取材に答えた教師たちからは“引き継ぎ資料”の中身について一定の共感や擁護の声がほとんどだったが、体育館に持ち出した上に置き忘れたことについては「ありえない」と口をそろえた。教師たちはふだんこういった資料をどう扱っているのだろうか。
「私の学校では、流出を防ぐために、データで共有するか、印刷したら会議後すぐにシュレッターにかけています。基本的に持ち歩くものではないです」(Aさん)
「校長室にある耐火書庫に入れて保管しており、鍵を開けた教員の名前や持ち出し日、返却日を書くような仕組みになっています」(Bさん)
「紙に書くのが怖いから、指紋認証しないと開けないiPadに情報を書き込んでいます」(Cさん)
都内の小学校のスクールカウンセラーや高校の非常勤講師として勤務歴のある50代の公認心理士のEさんは「引き継ぎ資料には生徒の生死にも関わる事項が書かれることも多々ある」と話す。Eさんは高校の非常勤講師として勤めていた時に、同僚の教師からこんな相談を受けた。
「公立の小中高には特別支援コーディネーターという生徒のケースカンファレンスを行なう先生がおり、その方から『ある女生徒が希死念慮を訴えており、学校の屋上から飛び降りるなどと言っている。
どう対応したらいいか』と引き継ぎ資料を見せられながら相談されたことがあります。引き継ぎ資料は子どもを守る上で大事なものです」
それならば今回のような流出が二度とないように学校関係者には重々気をつけてほしいものだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班