他のポスト岸田候補もうごめきだし…

一方、各社の世論調査で「ポスト岸田」に挙げられる石破茂氏は5月14日、小泉純一郎元首相や山崎拓元副総裁らと会食した。

この席では「石破氏が総裁選に立つべきだ」との意見も出たといい、本人も21日夜のテレビ番組で総裁選出馬について問われ、「いろいろな役職を務めさせていただいた。国や社会のために生かさないでどうするのか」と意欲をにじませた。

ただ「相変わらず党内に仲間はほとんどおらず、勉強会を開催しても集まるのは、石破氏の地元・鳥取選出の議員らごく一部。党OBから担ぎ上げられたところで、どこまで党内支持が広がるか」(全国紙政治部記者)と冷ややかな見方も強い。

同じくポスト岸田候補に名前があがる河野太郎デジタル相は21日、自身が所属する派閥の長である麻生太郎副総裁と会食。

前回2021年の総裁選で、麻生氏は河野氏の出馬に慎重姿勢をにじませていただけに、今回も河野氏は麻生氏に配慮する姿勢を見せつつ、総裁選出馬に向けて準備を進めたい考えだ。

そして、首相を支える幹事長の立場でありながら、総裁選への意欲を隠していないのが茂木敏充氏だ。

茂木氏は19日に配信されたインターネット番組で「総理になりたいわけじゃない。ただ、総理になってやりたい仕事はある」と語り、省庁再編など「やりたい仕事」を具体的に列挙した。

総裁選に意欲を見せるも人望がない自民党の茂木敏充幹事長(本人Facebookより)
総裁選に意欲を見せるも人望がない自民党の茂木敏充幹事長(本人Facebookより)
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「茂木氏はもはや首相を支える気などなく、総裁選に向け、安倍派議員同士の会合に駆けつけるなど、自らの仲間づくりに必死。ただ、これまでの上から目線やパワハラが災いし、人望はほとんどない」(自民党関係者)

衆目一致するポスト岸田候補がいないなか、岸田首相も「ポスト岸田は岸田」をあきらめてはいない。

「永田町では、政治資金規正法の改正案を成立させた後、6月の通常国会会期末に野党の内閣不信任案提出を受けて解散するシナリオや、首相が局面打開のために党役員人事や内閣改造を行うシナリオなど、複数の案がささやかれています」(永田町関係者)

たった一言でも命とりになる、ポスト岸田レース。4ヶ月後に笑うのは……?

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班