霞が関で懸念されていた「不適格」ぶり
その一方で「指示を受けた仕事はきちんとこなすが、自分で考えたアイデアを実現するために仲間を巻き込んでいくようなことはできず、リーダーとしての資質には欠ける」(霞が関関係者)と言われてきた上川氏。
国会審議や会見では事務方が用意した答弁書の読み上げに終始する場面が多く、突然「ポスト岸田」と報じられ始めたことに警戒感も示し、これまでも「外相としての職務に一意専心、臨んでいる」と繰り返してきた。
ポスト岸田として報じられることへの直接的な言及は避け、オフレコであっても、記者に対しては会見での答えと同じ内容に終始するばかりで、記者泣かせとしても知られる。
だが、そんな上川氏も静岡県知事選をめぐっては様子が違っていた。
「上川氏はふだん、外相としての公務が多く、最近は地元に戻っていませんでした。そんななか約8ヶ月ぶりに地元に戻り、自民候補の応援をするなかで、笑顔で『ただいま帰りました!』と少しハイになっている様子が印象的でした」(全国紙政治部記者)
今回の発言は地元での安心感も災いし、自分の言葉で発言したためにボロが出たとの見方が強い。
この発言もあり、静岡県知事選では自民が推薦する元総務官僚、大村慎一氏が、立憲などが推薦する前浜松市長、鈴木康友氏相手に苦戦中だ。
「各社の情勢調査でも大村氏が鈴木氏に数ポイント離されており、厳しい戦いが続いています。静岡県連は塩谷立氏の離党、『パパ活不倫』が報じられた宮沢博行氏の議員辞職もありましたが、大村氏が敗れると、上川氏も責任の一端は免れません。ポスト岸田レースでも後退でしょう」(静岡県関係者)