放置すると食道がんのリスクが高くなる
ここまでの解説を読んだ人は逆流性食道炎は原因や治し方は、糖尿病や高血圧と似ていることに気づかれると思います。
今回挙げた5つの原因を控えるようにすると自ずと、逆流性食道炎のほかに糖尿病や高血圧などのリスクを下げることも期待できます。
逆流性食道炎なのに生活習慣を改善せず、そのままの生活を続けていると、食道は胃酸によって傷ついた組織を修復しようとします。この組織が再生していく過程で正常な細胞にならず、がん化していくことがあり、食道がんになるリスクが高まります。生活習慣の見直しをしましょう。
また、ゲップが多いなどの症状を感じたら、胃カメラですぐに検査してください。
逆流性食道炎以外に食道がんや胃がんの早期発見にも繋がるので、早めに受診しましょう。
特に症状がない人でも1年に1回は胃カメラで検査してチェックするのがおすすめです。
逆流性食道炎の治療は、胃炎や胃がんといった他の病気がなく、逆流性食道炎のみを治す場合は胃酸を抑える薬と胃と食道の動きをよくする薬を服用するのが一般的です。薬の服用で状態はよくなりますが、また同じような生活習慣をしていると、同じ症状を繰り返すことになります。
逆流性食道炎の予防は、生活習慣の見直し、症状が出たら胃カメラの検査をすることが大切だということを覚えておいてください。
取材・文/百田なつき