愛車は「バッテリーがすぐあがるからあまり乗れないんです」
この店主は、店の近くに和久井容疑者が駐車場を借りている縁で、親しくなったという。
「うちのお客さんがよく勝手に和久井さんの駐車場に車を停めちゃうから『いつもすみません』みたいな感じで謝りに行ったのが会話するようになったきっかけだと思います。かれこれ10年以上の仲でした。
今まで何度も駐車場のことで謝りに行ったことがあるけど、和久井さんが感情的になっているところは1度も見たことないし、文句を言われたこともありません。和久井さんは縦に2台駐車場を借りていて手前に白い軽自動車、奥に赤いスポーツカーという形で縦列駐車していました。バイクは自宅の駐車場に停めていたと思います」
愛車を大事にはしていたが、乗っているところはほとんど見たことがなかったという。
「和久井さんは『バッテリーがすぐあがるからあまり乗れないんです』と、ふだんはバッテリーは取り外して家に置いていたみたいです。うちの息子がまだ小さいころに駐車場で車を手入れしている和久井さんに『赤い車かっこいい』と話しかけたら『かっこいいだろ!』と喜んでくれたみたいです。
駐車場から車を出すときは、見えにくい場所だから毎回慎重にゆっくり移動させていました。赤いスポーツカーと白い軽自動車の駐車位置を入れ替えるときは、他の車の邪魔にならない遠いところに車を停めていましたね」
真面目でまとも。店主の印象はそれに尽きるという。また、店主の妻は以前、和久井容疑者本人から「離婚したことがある」と聞いた記憶があるという。
「(被害者の)女の人にハマっちゃったのかな。3〜4年くらい前、その赤いスポーツカーを手放すときは『経費がかかるからもう車、引き払うんです。うちの駐車場空くからよかったら使ってください』と勧められ、今はうちが契約して使ってるんですよ。駐車場代は2台で月3万5千円です。
食事にもよく来ていただいて、最後に来てくれたのは2〜3ヶ月くらい前だったと思います。つなぎを着たホンダの整備士さんとよく一緒に来られて、いつも一番高い『極上とんかつ』を頼んでくれるんですよ。代金はいつも、和久井さんがまとめて払っていました。
お仕事は何をされていたのかわからないですが、『今日は午前中配達がある』なんて話をしていたことがあったので、依頼があれば動く感じで休みは不定期だったと思います」
Aさんが住んでいたタワーマンションは1階、2階にはテナントが入り、近隣には公園もある巨大なマンションだ。捜査関係者によると和久井容疑者は「数時間待ち伏せしていた」という。
その執念は何だったのか。#2では和久井容疑者の父親の独白を詳報する。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班