「人員整理をしようとしていた時期に自ら辞めていった」
15歳になった同年9月には、八千草薫の主演舞台「黄昏」に「ビリー」役で出演。批評家にも「これからの活躍が楽しみ」と絶賛され、岐阜県内の地元中学を卒業すると母親と共に上京。
だが、以降はめっきり露出が減った。そしてほどなくして事務所を解雇されたようだ。美濃加茂市商工観光課の担当者は取材にこう答えた。
「若山耀人さんを『もっとみのかも夢大使』に起用したのは、当市出身であることと、2014年の創設当時、大河ドラマ『軍師官兵衛』に出演し全国的にも有名だったことからPRにふさわしいという理由です。
当時の担当部長はもう在職しておらず、詳細はわかりませんが、夢大使の活動内容としては、SNSなどで告知していただいたり、テレビ出演の際になるべく美濃加茂市をアピールしていただくというものでした。
しかし、所属事務所より2021年2月16日に若山さんを解職した旨の連絡をいただき、夢大使も辞任していただきました。今朝から問い合わせが何件かあり、報道を見て驚いているところです」
同事務所が若山容疑者を「解職」した理由についてある芸能関係者はこう話す。
「子役ではよくあることですが、子どもの頃にいくら華があっても成長期になるとファンの期待との間にズレができてしまう。残酷ですが若山くんはまさにそのパターン。仕事もなかなかおもっていた役どころにハマらず、事務所も人員整理をしようとしていた時期に自ら辞めていったようです」
地元の知人には「決して干されて辞めさせられたわけではない」とも話していた若山容疑者だったが、久しぶりにマスコミから別の形で注目されてしまったのは逮捕された5月1日のことだ。
12時半ごろ移送のため大崎署を出た若山容疑者は終始うつむき、顔を隠すように警察車両に乗り込んでいた。手の甲には、自身の頭文字である「K」と書かれたタトゥーが残されていた。
芸能界をドロップアウトした若山容疑者が猟奇的な強行事件の犯行グループにどうやって加わり、どんな役回りを演じたのかはまだわからない。ここに夫婦殺害の計画を立てた「黒幕」がどう繋がるのか。栃木県警と警視庁の合同捜査本部の調べが進む。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班