長男は糖尿病をわずらい、目が見えなかった

遺体は台所に毛布をかけられた状態で同署員が2日に発見。外傷などはなく、死後数カ月経過していたとみられる。Aは調べに対し「2人暮らししていた長男が昨年末ごろに亡くなったが、葬式をあげる金がなかった」と容疑を認めており、同署は遺体が長男とみて調べを進めている。

上溝駅(撮影/集英社オンライン)
上溝駅(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

現場はJR上溝駅から徒歩15分程度の、老朽化が目立つ市営団地だ。3棟からなる団地にはどんよりとした空気が漂い、記者が訪れた夕方前の時刻でも人の出入りはほとんどなかった。

隣接している公園も、営業回りでくたびれたのか若いサラリーマン風の男性が休憩しているくらいで閑散としていた。高度成長期、バブル景気とその崩壊を経て、極端に進行した高齢化と少子化社会の成れの果てを思わせる、日本中のどこにもありそうな団地に、Aと58歳の長男は20年以上前から暮らしていた。近くに住む70代女性が語る。

「奥さんをずいぶん前に亡くされたようで、私がここに越したきたときには、娘さんと息子さんと3人暮らしでした。もう15年以上前の話ですよ。そのうちに娘さんは姿を見なくなり、息子さんとAさんだけになりました。

息子さんは去年の夏ごろはよく見かけました。団地の階段で昇り降りを繰り返したり、敷地内を歩き回って行ったりきたりしていましたね」

事件現場となった市営団地(撮影/集英社オンライン)
事件現場となった市営団地(撮影/集英社オンライン)

長男は糖尿をわずらい、目が見えなかったという。

「糖尿で目が見えないから、歩く練習をしてたんだと思います。手を伸ばして壁をつたったり、生け垣を触りながらね。会うと少し話したりもするのですが、『俺ぁ目が見えないんだよ』と言っていました。

『夏は暑いし気を付けなさいね』って声をかけたら、きちんと返事はしてくれました。たまにお父さんと一緒のこともありましたが、2人でいるところはほとんど見かけませんでしたね。だからってケンカをしているとかそういうことではないんですけど」