健康を願って妻に飲ませ続けたのに命を削ってしまった

Aさんは「これが去年ずっと苦しめられた体調不良の原因なの?」「小林製薬が1月に最初の健康被害の報告を受けてすぐに教えてくれていたら、その後の2か月間は飲まずにすんだのに…」とメールを見たときの衝撃を話す。だが、ダメージはこれだけで終わらなかった。

「原因不明の体調不良って本当に辛いんです。服用をやめれば治るのか、それを聞こうと小林製薬の相談窓口に電話をかけました。ところがそこで『最後の一袋の分(代金)を返金させてもらいます』と言われたんです。頭が真っ白になりました。お金の話なんかしていないのに…。その後、家でずっと泣いています。仕事も休んでいます」(Aさん)

健康への不安がピークに達しているときに、いきなり金銭の話を持ち出されたAさんが受けたショックはいまだ癒えていない。

記者会見2日後の3月22日に小林製薬が通販購入者に送ったメール
記者会見2日後の3月22日に小林製薬が通販購入者に送ったメール

一方、50代の男性Bさんは、コレステロール値が高いと言われた50代の妻Cさんのために紅麹コレステヘルプを購入し、Cさん自身も毎日3錠を服用してきた。

「紅麹が自然食品由来で、体に優しいとの印象で選びました。小林製薬は他の健康食品メーカーよりはブランドの信用度も低かったですが、製薬会社を名乗っている以上、品質に問題はないと思いました」(Bさん)

しかしCさんもコレステロール値が下がることはなく、それどころか昨年12月の健康診断では腎臓や肝臓の機能に絡む数値が基準値を超える結果が出た。
 

「家内は昨年末から年始にかけては疲れやすく、仕事から帰るとぐったりして横になることが多くなり心配していましたが、サプリが原因だとはまったく考えも及びませんでした」(Bさん)

Bさん夫妻は3月22日の会見を受けた報道で事態を知る。手元に残っていた複数の紅麹コレステヘルプの袋に書かれた製造番号を確認すると、すべて小林製薬が問題があるとする番号の製品だとわかった。

「12月の検査結果が悪かったのはこのせいなのか、早く検査をしなきゃ、というショックはありましたが、最初の発表では『念のために回収』というニュアンスだったので、軽くとらえていました。

しかし間をおかずに死亡者が出たと報じられ、不安はどんどん大きくなりました。健康と長生きを願って愛する家内に飲ませたサプリで、逆に命を削っていたかもしれないという罪悪感と後悔の気持ちが、怒りにも転じています」とBさんは苦悩を話す。

小林製薬(撮影/集英社オンライン)
小林製薬(撮影/集英社オンライン)

さらに「小林製薬の相談窓口には何百回とかけてもつながらず、ようやく繋がったと思ったら、先に伝えたはずの情報が共有されておらず、何度も同じ説明を繰り返しさせられました。顧客対応もお粗末です」と、その後の対応にもBさんは怒りを隠さない。