女性もお金を払ってスッキリ遊ぶ時代

女性用風俗の中では、「萬天堂」と「東京秘密基地」が2大巨頭となっている。萬天堂は熟年のセラピストも在籍していたり、ホームページの説明文やデザインから、年配の女性も利用しやすいのではないかと見受けられる。萬天堂の会長である奥寺さんは次のように話す。

「ご利用される方もセラピストも当店では年齢制限を設けていません。実際、60代の男性セラピストもちらほらいますね。どのような女性にも気持ちよくなっていただきたいという思いから、幅広いセラピストが所属しています。女性も遊ぶ場所があっていいのではないかという思いから、女性用風俗に目を向けて2017年にオープンしました。

構想を練り始めたのはもっと前なのですが、状況が整ったのがその頃だったという感じですね。女性用風俗の立ち上げを考え始めた頃は、小さいお店がちらほらあったのですが、個人が趣味的にやっていたり、『無料にするからやらせてよ』というような変なことが起きてしまうところもあったりしたんですよね。

そんなことじゃダメだな、女性もお金を使ってスッキリと遊んだほうがいいんじゃないかなと感じていました」

70代女性も。高齢者利用が急増! 女性用風俗を利用するシニア世代の驚きの実態…女性もお金を払ってスッキリ遊ぶ時代に_3
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萬天堂の料金はお試しの90分コースが1万5000円で、オススメの120分が1万9000円。時間で値段が決まるという非常にシンプルなシステムである。セラピストのランクによって指名料は異なってくるが、そのランクもセラピストのプロフィールページにきちんと掲載されている。

とりあえず体験してみたいのか、質のいいセラピストに対応してもらいたいのか、女性側が使い方を選べるというわけだ。


写真/shutterstock

ルポ 高齢者のセックス(扶桑社新書)
中山美里
2024/3/1
1,045円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4594096908

超高齢化社会に突入しつつある日本。さまざまなシニア向けサービスやコンテンツが盛り上がる中、性風俗や異性紹介など男女をめぐる業界も例外ではありません。

日本家族計画協会の調査(2020年)によると、「セックスしたいか」という質問に対する60代男性の答えは、「よく思う」「たまに思う」を合わせると70%を超えました。つまり、7割強が「セックスしたい」と答えているのです。健康寿命が年々、伸びていくなか、密かに性的な行為をしたいという男女が増えていることはたしかでしょう。

本書では、高齢者とセックスをテーマに当事者や関係者60人以上に取材し、そこに集う人々にスポットをあて、インタビューを交えたルポ形式で60-90代のシニアの性生活を描写していきます。

「60歳未満お断り」をキャッチコピーに掲げる風俗店、そこで働く60代の風俗嬢、また史上最高齢88歳のAV女優、シニアのチャットレディ、80代後半で全国のストリップ劇場を行脚する男性、高齢者同士のマッチングビジネスや出会い喫茶、70歳以上の男性との交際を謳う「ジジ活」、高齢者専用派遣型風俗などなど…盛りだくさん!

近年、高齢者の心身の健康やQOL向上には「セックス」が欠かせないということが徐々に世間でも認知されつつあります。本書に登場する高齢者も、異性と関わりを持つことで生活に張り合いができ、心身ともに若くいられると証言しています。老後の「性」が徐々にタブーではなくなりつつある今、急激に変化する高齢者とセックスの実情に鋭く迫ります。

第1章 長らくタブーだった高齢者の性生活
第2章 増える高齢者の「出会いの場」
第3章 社会との関わりの場としての高齢者向け風俗
第4章 QOL上昇のためのシニア向け性娯楽
第5章 高齢者の性欲と向き合う社会

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