高学歴の女子大生も多かった
過激な衣装の女性ダンサーが出席した男性の膝の上に座り、口移しでチップを渡し、挙句にお尻をタッチ……。
自民党の青年局幹部や若手議員が参加した “不適切にもほどがある”ハレンチパーティ。当然、世間から大バッシングを受けているが、およそ四半世紀前の1998年(平成10年)にも上級国民の品性を疑う出来事が起こった。それが大蔵省接待汚職事件だ。
官僚7名が逮捕、3名が自殺、112人の大蔵省職員が処分を受けることとなった大スキャンダル。しかし、世間の好奇心をさらに煽ったのは、その接待の舞台として、新宿歌舞伎町にあった会員制ノーパンしゃぶしゃぶ店「楼蘭(ローラン)」を頻繁に利用していたことだった。
ノーパンしゃぶしゃぶ――。名前からして卑猥さが爆発しているこの飲食店は、文字どおりノーパンの女性店員が接客するしゃぶしゃぶ店のことで、楼蘭は1990年代の大蔵官僚や幹部と、大銀行や証券会社のMOF担(モフたん。Ministry of Finance=大蔵省と癒着するエリート行員)の接待の場として使われていたのだ。
90年代前半、実際に楼蘭に足繁く通って銀行員たちを接待してきた為替ブローカーの阿藤さん(仮名・65歳)は言う。
「それまでの金融業界の接待は赤坂の料亭からの銀座のクラブという流れが主流でしたが、誰が見つけてきたのか、『楼蘭というスゴイ店があるぞ』と噂が広がった。でも、この店は2人の会員客からの紹介がないと会員になれないという厳正な入会審査があった。私も同業他社2名の名刺を持って会員登録しに行きましたね」
店の場所は西武新宿駅とコマ劇場(現在のTOHOシネマズ 新宿)をつなぐ路地にある6階建てビルの地下2階、3階。阿藤さんは目を細めながら当時に思いを馳せる。
「地下2階はついたてで区切られたホールで、地下3階は完全個室。私はいつも個室を使っていて、1室につき“ノーパン嬢”が1~2名つく。彼女たちは早稲田とか青学とか、いいとこに通ってる女子大生が多くて、みんな顔もスタイルも抜群だった」