ストレングスファインダー®を活かして、自分の「勝ちパターン」を知る

ストレングスファインダー®で出た資質や才能は、どのようにキャリア形成に活かせばいいのだろうか。

「必ずしも全員が転職をすれば良いというわけではない」と高嶋さん。

「現職でパフォーマンスを発揮しきれていない方もいます。そういう方がネガティブな気持ちのまま転職に踏み切るのはもったいない。

ストレングスファインダー®の読み込みができるコーチやキャリアカウンセラーは、その方の診断結果を見ながら、どのように『勝ちパターン』を活かして職場で成果を出せばよいのかを一緒に考えています」

話題の才能診断ツール「ストレングスファインダー®」、って本当に役に立つの?_4

最後に、ストレングスファインダー®を活用し、キャリアの迷いや悩みを解消できた事例を聞いた。

「コンサルティング企業に勤める30代の女性から、『問題解決力がなくて悩んでいる。周りの同僚は頭が切れる人ばかりで羨ましい』というご相談を受けました。

その方のストレングスファインダー®の結果をみてみると、『共感性』や『コミュニケーション』など『人間関係構築力』の資質が多かったんです。

つまり、人に影響を与えたり、自分で何かを成し遂げたりするより、周りの人と協力して仕事を進めることに強みがあった。話を聞いてみると、実際に『人間関係構築力』を活かしてプロジェクトなどで成果を挙げていたとわかりました。

彼女は周りと比べて下位資質に目が向いてしまっていたのですが、自分らしい『勝ちパターン』を理解したことで、自分らしくこのままやればいいんだと自信を持てたという方もいます」

「どんな仕事でも『自分らしさ』を発揮できれば大丈夫、と伝えたい」と高嶋さん。ストレングスファインダー®を受けたあとの活用方法がわからなければ、キャリアカウンセリングを受けてプロの力を借りるのも良いだろう。

自分にとっての「当たり前」は他の人にとっての「当たり前」ではないはずだ。ないものを嘆くのではなく、今ある資質を最大限に活かすことこそが「キャリア迷子」脱出の近道なのだろう。自分らしく輝けるキャリアを見つけられるよう、ストレングスファインダー®を活用してみてはどうだろうか。

取材・文/安心院 彩