「支持率」はけっこうあやしい……?
ここで、前項の数式が使えます。パソコンのエクセルなどを使って入力すると、あとはちゃちゃっと計算してくれます。新聞の調査では回答数が2000件ほどなので、その結果を39.5%として計算してみると、誤差はプラス・マイナスの2.2%。よって、
37.3〜41.7%
のなかに真の支持率はありそうだ、と推測します(区間推定といいます)。
このケースでは最大で42%近くの支持率がありますので、「40%を割りました」とは断定できませんね。
下の2つのグラフは、ある国の大統領の就任以来1年間の支持率の変化を見たものです。
支持率が大きく下落していますが、いま知りたいのは別のことです。上が一般的な表示方法、下が誤差も含めたグラフです。上のグラフはそれぞれの時点での支持率・不支持率をピンポイントで描いていますが、下のグラフはもっと「幅」をもたせています。すると、支持率・不支持率で逆転しているかどうかは怪しく、見る側も、誤差を意識しながら見て、考えることになります(米国のある報道機関が下のようなグラフを使っているのを見たことがあります)。
真実はわかりませんが、少なくとも「誤差」の存在を常に意識する姿勢は必要でしょう。
最後にひとつクイズです。