東京・巣鴨にあるジオラマ素材の専門店「さかつうギャラリー」では、6月4から19日までの期間「オンリーレッド×モーリン 新時代の模景展」が開催され、自動車模型を展開するONLY REDと、ジオラマ素材を取り扱うモーリンによるジオラマ作品の展示が行われている。そのスペシャルゲストとして、両メーカーの製品を活用し、リアルな都市風景を再現しているCityscape Studio/都市モデラー・MAJIRI氏が招かれた。
今回スポットを当てるのは、その圧倒的な密度の濃さとリアルな情景が話題を呼んだ、渋谷スクランブル交差点のジオラマ。MAJIRI氏が1年かけて見事完成させた渋谷の象徴的風景を楽しみながら、作品にまつわるエピソードを聞いた。
精緻に作り込まれた「渋谷の名所」がずらり
渋谷スクランブル交差点ジオラマは、幅740mm×奥行き530mm×高さ450mmの寸法で作られたNスケール(150分の1スケール)の作品。山手線外回り電車の高架下から大成堂書店(作中では「大教堂書店」)付近までの範囲に、スクランブル交差点の雑踏と周辺の街並みを再現している。
主役となるスクランブル交差点はもちろん、SHIBUYA 109(作中では「XENON」)やQ Front(作中では「O Front」)など、交差点周辺のビルもリアルに再現。道玄坂方面と神宮通り北側の写真を背景にすることで、まるでジオラマの外にも情景が続いているかのような広がりを感じさせる。
ジオラマボードに表現された交差点の喧騒は、まさに現実の渋谷の風景がそのまま落とし込まれたかのようだ。その上で、横断歩道前の喫煙所や、渋谷センター街入り口付近、山手線のホームと線路周りなど、あまり目立たない部分も丁寧に作り込まれている。隅々まで観察したくなる部分がたくさん見つかり、長時間見てしまう作品だ。