「ハイスピード・トルネード・スカイアルファ(HTS)」

キーマンは間違いなく大空翼だ。『ROAD TO 2002』からスペインに渡りさらに凄みを増し、『海外激闘編EN LA LIGA』に至るまでスペイン中に実力を見せつけ大活躍。『ライジングサン』ではリーガ優勝とMVPに輝いた。その存在をスペインの選手が知らないはずがない。この試合では相当警戒を受けることになるのは明らかだろう。翼に集まるスペインの意識をどう逆手に取るのか、が勝負の分かれ目になるといっても過言ではない。

『キャプテン翼』のメンバーでW杯スペイン戦に挑む!「スカイラブハリケーン」を超える最強合体技がカギに!?_f
『キャプテン翼 ライジングサン』より

その点を突いたのがこの2列目だ。本来、翼の力が最も発揮されるのはトップ下。だが、この試合では岬太郎と並べる。2人でポジションチェンジを繰り返し、翼への警戒を逸らしつつ、「黄金コンビ」をフルに発揮したい。現時点で最強のコンビ合体技である「ハイスピード・トルネード・スカイアルファ(HTS)」も発動させたいところだ。

『ライジングサン』で描かれた通り、この大技が完成した際に側にいたのが石崎。つまり、石崎からのクロスが「HTS」の成功率を高める。相手からは弱点とみなされかねない石崎をこの試合で使っているのはこのためでもある。

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『キャプテン翼 ライジングサン』より

そして2トップで期待したいのが新田。得点力の高い日向にももちろん期待だが、対策を打たれてくると考えるのが普通。一方、「隼シュート」や『GOLDEN-23』で編み出した「隼蹴り」といった必殺技も魅力だが、新田には『ライジングサン』で見せたスピードスターぶりとゴールへの嗅覚が備わっている。

相手の対策や駆け引きと関係ないところでの反応の勝負で相手を上回れるとしたらここだ。決してゴラッソである必要はない。泥臭いゴールで日本に歴史的な1勝をもたらしてほしい。主人公の翼にとっては『ワールドユース編』でプレーしていたブラジルにかつて勝利したように、スペインに勝利することは特別な意味を持つはずだ。

文/伊藤亮 ©高橋陽一/集英社

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