日本の得点力不足を解消するのはこの男!
試合の流れを左右する存在はアンカーの三杉だ。
守勢の時間帯は両WBも最終ラインまで下がってこざるをえない。だが、ずっとその状態を維持していると、ドイツの推進力を加速させ波状攻撃を受けてしまう。そこで、マイボールになった際にカウンターのスイッチを入れる。
とてつもなく高いサッカーIQを求められるが、その重役を担うのは三杉が適任だろう。松山のキープ力と岬のテクニックを引き出す働きもできるはず。岬はトップ下の大空翼とは縦の関係になるが、前を向いた時に「黄金コンビ」の本領発揮を期待したい。
1トップの日向は『ROAD TO 2002』でイタリアに渡り挫折を味わった。その後、マッツフィジカルコーチの勧める肉体改造でボディバランスを向上させたことは『海外激闘編IN CALCIO日いづる国のジョカトーレ』で実証済み。
「雷獣シュート」はロングレンジからでもゴールを狙えるし、『ワールドユース編』で身に付けたポストプレーで翼や岬、空手特訓で「変幻次元蹴り」を身に付けた若島津とも連携できる。Jr.ユース国際大会決勝、マドリッド五輪準々決勝と、2度対戦したドイツ戦でともにゴールを記録している相性のよさも好材料だ。
攻撃時も人数を割くことが難しい場合、頼りになるのは翼のイマジネーションだ。周囲を活かすことを念頭に、一人でも局面を打開でき、フィニッシャーにもなれるというオールマイティな実力を判断よく発揮したい。
この試合、両WBの運動量が相当多くなることが予想される。そのため葵新伍、新田瞬といった運動量とスピードに優れる選手を投入する。まずはドイツの推進力をシャットアウトして、攻撃は翼と日向の個人技に期待しつつ、中盤と両サイドを押し上げて攻撃に厚みを持たせるのがゲームプランだ。
【第2戦 vsコスタリカ/第3戦 vsスペイン】へつづく
文/伊藤亮 ©高橋陽一/集英社