摘発時はノーブラにシャツ1枚
その後、週末は毎週のように「SB」に通うようになった坂田さんだが、実は5月8日の摘発時、彼女はちょうどその現場に居合わせていたという。
「当日は店で不定期的に行われるイベント日で、水鉄砲にローションを入れて、それを撃ち合って遊べる日でした。イベントもひとしきり盛り上がって、みんな疲れ果ててシャワーでも浴びようか……ってタイミングで警察が押し寄せてきたのです。
私はその時、ノーブラにシャツ1枚だったから“捕まる、もうダメだ”って思いました。会社もきっとクビになるだろうし、顔から血の気が引いて、頭の中が真っ白になりました。
でもだんだんと、あんなにお客に対して良くしてくれた店長もスタッフも逮捕されて、店も営業終了になったら、ここでは遊べないのか……という寂しさや喪失感に襲われました」
その後、警察の取り調べを受け、店を出たのは午前2時近く。知り合いの常連客たちと「またいつか会えるといいね」といって別れたという。
「“またいつか会えるといいね”と言ったのには理由があって、SBでは表立っての個人同士の連絡先の交換が禁じられていたんです。だから私はそこで関係した男性と連絡交換をしたこともなければ、外で会ったこともありません。みんなこうした規律を守る真面目なお客さんばかりでしたよ」
客だけでなく店長をはじめとしたスタッフも、真面目な人たちばかりだったという。
「店長はみんなから“りきさん”って呼ばれて親しまれていました。イベントの時は誰もが知るロックバラードを、シラフなのに感情込めてど真面目にパンイチで独唱して、みんな大爆笑でした(笑)。
日頃から『ここは女性優位だから。女性の意見が尊重される場所だから』って私たちを守ってくれたし、一方でセックスした後、疲れて寝落ちしたりすると『ここは寝る所じゃないよ』と、厳しく注意もしてくれて。
エロが好きな人が集まる場所だからこそ、締めるところは締めるというか、規律を大事にする人でしたね。そんな店長だったから、スタッフも常連客も、まともな人が多かったんだと思います。店内でのマスク着用も律儀に守られており、みんな半裸なのにマスクだけはしっかりしていましたから」