自分が社長だったとして、果たして自分を雇いたいと思うか
会社ガチャの話からもわかるとおり「何事においても両面を見なければいけない」と岡崎氏は言う。ここで言う両面とは、雇用する側とされる側の考え方は異なるということだ。
「たとえば飲食店の場合、お店側は自分がおいしいと思うものを提供することは大事ですが、それ以上にお客様においしいと思ってもらえるものを出さなければいけません。雇用する・されるの関係にしても同じです。
会社側に自分の能力をアピールするのは大事だけど、それは本当にその会社から求められている能力でしょうか。みんな往々にしてこの視点が抜けてしまっています。なぜなら、ほとんどの人は自己中だから。これは雇う側も雇われる側も、気を付けなければいけないことです」
上司はもちろん、会社を動かしている社長もまた人である。だからこそ、その人に選ばれる自分になっているかどうかという、相手の視点に立った考え方を身につける必要があるのだ。
「雇う側の視点で考えるためには、仮に自分が会社を立ち上げたとして、真っ先に自分を雇いたいか、と考えてみましょう。会社がイメージしにくければ、自分が上司だったとして、果たして自分と一緒に仕事がしたいか、でしょうね」
転職を考える理由の中には、会社の方針のせいで思うような仕事ができないから、上司が自分の働きを認めてくれないから……といったものもあるだろう。しかし焦って転職する前に会社や上司の立場になって考えてみると、今までは気が付かなかった発見があるかもしれない。
「これから転職する方の心構えとして絶対に持っていなければならないのは、今いる会社から『戻ってきてくれ』と言われる自分になる、と決めて転職することです。その覚悟がないと、結局いつまでも会社や上司のせいでうまくいかないと責任転嫁してしまうでしょう。どんな状況下であれ、認められる仕事ができている人は、ちゃんと認められています。まずは、人のせいにすることから卒業なければなりません」
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転職前に知っておかないとヤバいこと♯2