「悪魔のような性格で美しい子」

志保容疑者については、この知人はこう語った。

「基本的に自宅の寝室にこもってベッドの上でスマホをいじっているという印象です。家事も子どもの世話もせず、ネットショッピングばかりやっていました。化粧品とか美容機器、掃除もしないのにダイソンの掃除機を買っていました。

あとはキャラクターが好き。ある時期はキティちゃんにハマっていて、ちょっと前は、ちいかわです。ちいかわのTシャツやグッズが部屋に溢れていましたが、あれは子どもたちが好きなんじゃなくて志保が好きなんですよ。志保は小学校のとき両親が離婚して、母親と貧乏暮らしをしていたと聞いています。金遣いに関しては、健一とはまた違う感覚で、金を使うこと自体を楽しんでいたような気がします」

乳児を抱きかかえる志保容疑者(撮影/集英社オンライン)
乳児を抱きかかえる志保容疑者(撮影/集英社オンライン)

ゴミとキャラクターグッズに溢れる家のなかで暮らしていた志保容疑者は、自身を生んだ母だけでなくお腹を痛めて産んだ娘の供養もろくにしていなかった。

「私の知人が、美輝ちゃんが亡くなったあと細谷夫妻の自宅を片付けているのですが、散乱したゴミの山に埋もれるように、骨壺が2つあったそうです。小さい骨壷が美輝ちゃん、大きいほうが志保のお母さんの骨壺だったそうです。

父親と離婚してから一緒に暮らしていたお母さんに対しては、志保は特別な思い入れがあったと思っていただけに、骨壷をゴミの中にというのは……。これとは別の話で、志保の長女が兄である長男の顔をひっかいて怪我させたことがあって、それを見ていた志保は『悪魔のような性格で美しい子』と喜んでいたそうです」

志保容疑者の実家を捜査する捜査員
志保容疑者の実家を捜査する捜査員
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母親の骨壺はその後、志保の実家となるアパートに無造作に置かれていたことは#5でも報じた通りだ。知人は、2018年4月に41歳で亡くなった健一容疑者の姉についても、ある疑念があるという。

「私はお姉さんに関しても志保の意思が強く働いていると思います。当時お姉さんはホソヤ産業の経理を務めていて、『ケンちゃんにはお金を任せられない』とよく言っていました。

その後に同社の創業者のお父さんが亡くなって、健一ともう一人のお姉さんが遺産配分をめぐって揉めたという人もいたのですが、結果的にはわずかに健一の取り分が多い形で双方納得して受け取っています。

ですが、あのとき、志保が健一を煽っていたのは間違いありません。当初、相続のことなど何も気にしていなかった健一が、『姉が遺産を多く取ろうと画策して動いている』と言い出すようになりましたから。こんなふうに、さまざまな場面で志保の意思が働いているんですよ」

自分の身の回りの世話も満足にしない自堕落な夫婦。子どもがいなければ身上を食い潰すだけで終わったはずだったろうに、最悪の結果を生み出してしまった。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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