子どもを机に向かわせる方法
これらの問題を解決するためにも、キャリア教育を充実させることが重要だと考えました。
キャリア教育の先進国だといわれるアメリカでは、キャリア教育の目的を「学力向上」と「コミュニティを支える人材の育成」の2つだと明文化しています。
日本の場合、キャリア教育というと、職業の理解という意味での「コミュニティを支える人材の育成」だと考えられがちですが、アメリカではこれに加え、「学力向上」につながると捉えている。
実際に世界11カ国で実施された調査で、「なりたい職業がないと答えた子に対して、なりたい職業があると答えた子の毎日の勉強時間は30分多かった」という結果が出ています。
これはなぜかと言うと非常に簡単です。将来なりたい姿があったり、社会に出てワクワクできる教育を受けたりすると、机に向かう時間が増えるからです。
なぜ日本は勉強時間が少ないのか。それは理想とする未来がない、将来にワクワクできない、それゆえに机に向かう意欲が湧かないから。今、本当にモチベーションの悪循環が起きていると思っています。
仕事って楽しくなさそう?
私たちは、この不足するキャリア教育をオンラインスクールで提供しようと思って開発をしてきました。週に1回75分、最先端のキャリア探求学習を自宅で受講できるというのが「ドリームドリブン」です。
今は、宇宙飛行士、医療、起業家という3つのテーマを通じて、主体性を引き出すための“参加型オンライン”形式でアクティブラーニングな授業を行っています。今後は法律家やゲームクリエイターなど、他の職業も追加していく予定です。
前述の約3人に1人の子どもが夢を持っていないということにもつながりますが、実は日本の中学生は大人になることに対してネガティブで、できれば大人になりたくないと思っているというデータもあります。「大人って大変そう」「いつも疲れている」「仕事って楽しくなさそう」と思ってしまっているのです。
でもこれは、疲れている大人しか知らないだけで、かっこよく現場で働いている姿をもっと見せることで改善できるのではないかな、と考えています。
ドリドリのコンセプトは「憧れ」。かっこいい大人を知り、未来にワクワクすることで、子どもが自分の“なりたい姿”を見つけ、必要な知識や学びを自ら探究していけるようなプログラムになっています。