「すげ~人がいるな」
喪主は南部さんの妻の由紀さん。由紀さんは近親者や親しい人々に「喪服厳禁、出来るだけ派手な服装でご参列してください」とメッセージを添えていたという。
報道陣が集まるなか、着物の布でつくられたジャケット姿のダイアモンド☆ユカイさんや、東国原英夫さん、なべやかんさん、田代まさしさん、鳥肌実さん、ユニフォーム姿のミドル清原さん、コスプレ姿のインフルエンサー、恐竜の着ぐるみに身をつつんだ弔問客なども現れ、斎場は笑顔でつつまれていた。
テレビ東京の『TVチャンピオン』で名物レポーターを務めた、パントマイマーの中村ゆうじさん(67)はハッピ姿で29日に行われる告別式に参加する予定だという。中村さんは南部さんと50年来の友人で、南部さんが亡くなった後もすぐに杉並区内の遺体安置所にかけつけたという。集英社オンラインは23日に中村さんを取材、南部さんとの思い出話を聞いた。
「南部ちゃんとは劇団付属養成所のテアトル・エコーからの付き合いです。最初に出会ったのはテアトルに入る前に、小沢昭一さんという俳優率いる劇団芸能座のオーディション会場でした。男性200名くらいいる中で、南部ちゃんがタイツを着て一心不乱に踊ったり、発声練習してるのを見て『すげ〜人がいるな』と思ったのが最初です。その後、テアトル・エコーの試験会場で再会するんですが、筆記試験会場で南部ちゃんは僕の真横の席に座ってたんですね。なぜか懐からバナナを取り出して食べながら試験を受けていて“変な人だなぁ”って(笑)」
その後、テアトル・エコー入所後も衝撃は続いた。
「稽古中の南部ちゃんは、役に入りすぎちゃってケガするんじゃないのってくらい壁に体をぶつけてるんですよ。それとか、井の頭公園で一人稽古してるときに、遠くにいた南部ちゃんのほうがワーワー騒がしいから見てみると、殴り合いの喧嘩してるんですよ。止めようとしたら僕も相手に殴られたから殴り返して一緒に逃げたんです。それで“なんで喧嘩なんかしたの”って聞くと、南部ちゃんの役がヤクザだったんで『ヤクザになりきってた』って(笑)」
とはいえ、南部さんは決してふざけているわけではなかったようで「役者になるんだという意気込みと入り込み方は半端じゃなかった」と中村さんはいう。