「俺ドSだから首を絞めるのが好きなんだ」
しかし、フロントに電話したところ、どちらか一人は残るように指示されたことが幸いだった。
「それで逃げたというか私だけ部屋を出たんですよ。『忘れ物は車にあるから、すぐ取りに行って戻るね』って。結局家に帰って翌日の朝まで寝たふりをしてバックレました。ただ、そこに残しておくのもさすがに悪いなと思って、いろいろ理由をつけて、ホテルに迎えに行ったんです。それで駅まで送ろうと思って、部屋に入ったんですが…」
曾我容疑者が本性を見せたのは、そのときだった。
「いきなり『俺、結局ずっと1人で取り残されてて、金どうすんだ』と首を絞めてきて『殺すぞ』って。怒ってはいたんですけど、 本気というよりは、笑いながら『どうすんだよ~』みたいな。でもホテルに行く前にも、彼はずっと『俺ドSだから首絞めるのとか好きなんだよね』みたいな話をしてたんですよ。それも、なんか気持ち悪いなと思っちゃって。で、『やめてやめて! お金払うから!』っていう感じで突き飛ばして」
ことなきを得た女性は、車で曾我容疑者を駅まで送り届けた。
「彼は車中でも不機嫌だったけど、一応しゃべってはいました。私がホテル代を払ったんで、落ち着いてはいたんですけど、『ホテルに行ったのに女とヤれなかった。こんなの初めてだよ。ぶっちゃけ逃げたっしょ?』みたいなことを、ずっとネチネチ言ってました。最初から、泊まる約束とかしていないんですけどね…映画観に行こうっていう話だけだったので」
このころの曾我容疑者は、♯3で詳報した150万円を投げ銭に突っ込んだ「彼女」と別れてから、まだ間もないころだ。
「彼女がいるとは聞いてなかったけど、ラーメン店で働いてたときにお客さんで来てた女の子に気に入られてるとかは言ってた。痩せてちょっとモテ始めて配信アプリも始めたので、その投げ銭してる女の子とか、どれだけお金を引っ張れるかとか、全部ずーっと女の子の話でしたけど。
配信は私より後に始めて、数は少なかったけど、熱狂的っていうか、毎日、何時から始めても見てくれるような女の子がいて、何百万円も貢がせてたみたい。私たちは配信者同士なんで、私と話すときは、そういう話。とにかくお金。常にその話しかしていませんでしたね。カッコつけてなのか、『俺は貢がせてるからお金持ってる』みたいなことを言っていました」