「女性宅に転がり込んで住んでいたようです」
曾我容疑者から通報があったのは同日午前11時20分ごろ。女性と一緒にカラオケ店の個室に入室してから刺したとみられ、自らも手に軽度の切り傷を負っていた。室内には凶器とみられる包丁1本が落ちていた。
別の女性が浴槽で亡くなっていたのは、事件のあったカラオケ店の南東約2キロにある、ファミリータイプのマンション。世帯数も多く、商業施設も複数入っている。男性住人が興奮気味に語った。
「私は亡くなった女性の下の階に住んでいるのですが、今年に入って女性の部屋で水漏れしてることがあって、そのときに顔を合わせたことがあります。30代ぐらいで、小柄でおとなしそうなOL風の方でしたね。普通の人ですよ。水漏れがして天井が濡れていたので確認に行くと、『洗濯機の排水溝が詰まってて溢れてしまいました』と話していました」
女性はこの階下の住民男性を部屋に上げて、丁寧に説明したという。男性が続ける。
「女性は3年ぐらい前から賃貸で入居したと言っていました。部屋に上がって洗面所も見たのですが、どんな様子かも記憶に残ってないです。ただ、ゴミ屋敷とかそんな荒れた様子はなかったと思います。このときは同居人はいませんした」
この住民によれば、部屋の契約者は女性だったが、その後に同居人として曾我容疑者と見られる男性をしばしば見かけるようになったという。
「苗字が違ったので男性と女性はたぶん結婚はしてないのでは。3DKくらいの広さの部屋なので2人で住むには十分だと思いますよ。浴室、トイレ、洗面の全部が分かれてるタイプの部屋です。僕は今日の午前中は外出していて、正午ごろに帰宅したらマンションの前に救急車が停まっていて、続いて警官が10人ぐらいドカドカーっと入ってきたんです。あれ?何だろうと思っていたら、うちにも聞き込みに来られて『ケンカしてるような物音や騒音はありましたか』などと聞かれました」
県警関係者はこう話す。
「曾我容疑者は住所不定ですが、この女性宅に転がり込んで住んでいたようです。女性は猫も2匹飼っていました。時系列的には最初に女性を浴槽に沈めて殺し、包丁を持参して出かけていることからカラオケ店にも殺意を持って向かったことは間違いありませんね。強行班の刑事に曾我の風体を聞いたところ、やさ男で風俗(出張ホスト)をしていたようです」