LINEの規約変更にヤクザは戦々恐々

その他、彼らにインパクトを与えたニュースは何なのか。

「ETCカードとLINEが使えなくなったこと」と語るのは、関東を拠点とする暴力団の古参幹部O氏だ。このことは暴力団組織や組員らに大きな痛手となった。

他人名義のETCカードを使って高速道路を走行し、高速料金を数百円ほど詐取した電子計算機使用詐欺容疑で、今年に入って六代目山口組の直系組長らが次々と逮捕されたことで、業界は騒然とした。

なかには身内まで逮捕されたケースもあった。ETCカードを持たないO氏も「今では高速に乗るなら現金払いか、ETCカードを持つ身内や友人を隣に乗せる。カードを持つ人間が隣に乗っていれば詐欺で捕まることはない。不便だが今はそれぐらいしか方法がない」と話す。

反社会的勢力の人間にとってさらに痛かったのが、LINEとヤフーが合併し、LINEヤフーとなったことだろう。これによりLINEの規約が変更され、継続的に利用するにはプライバシーポリシーへの同意が求められるようになったのだが、ヤクザはこの“同意”に敏感だ。というのも、その規約に反社の排除条項があるのに同意してしまえば、詐欺容疑で逮捕されてしまう。

同様のことはポイントカードの利用でも起こっていて、実際に六代目山口組傘下の幹部が、ポイントカードの詐欺容疑で逮捕されている。

※写真はイメージです
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O氏も規約や提示される書面には必ず目を通すという。「規約とか、なんであんなに文字が小さく細かいのか。まるで嫌がらせだよな」

これに関連してヤクザはLINEを使えなくなるという噂が10月に広まり、多くの組がLINEの使用をやめるよう通達を出し、組長らは次々とLINEを退会。O氏の周囲でも退会する組員が続出したというが、組員の中にはプライバシーポリシーに同意せず、LINEを使い続けている者もいるという。

「11月から使えなくなる可能性があるといわれていたが、今のところはまだ使えているようだ。ただ“その猶予も3ヶ月”という噂もあって、いつ急に使えなくなるのか。俺の知り合いは『ある日突然、アカウントが消滅していたらと思うと恐ろしい』と嘆いていたよ」