コレステロールの薬を安易に飲むのは危険!

そこで私は人間ドックを受けるとき、ある実験をしてみました。

血液検査では、コレステロール値も調べます。コレステロールが細胞の修復をしているなら、激しい筋トレを行って筋肉を破壊したとき、コレステロールが増えて壊れた筋肉細胞を再生しようとするはずです。

すると血液中のコレステロール値も大きく上がるのではないか?と考え、私は人間ドックを受ける前日にあえて激しい筋トレを行って、血液検査に臨んだのです。結果、予想通りコレステロール値は異常に上がっていました!改めて「人間の体はすごいな」と感心したものです。細胞を再生するための機能がこんなにしっかり働いているなんて、と。

前回の血液検査では、私のコレステロール値は正常値を示していましたから、今回大きく上昇したのは明らかに筋トレの影響によるものだと思われます。ですが検査結果を見た医者に、「コレステロール値が高いですね。お酒もタバコもやらない?なら運動不足ですね」と言われたのです。

このようなことを踏まえると、コレステロール値が高いからといって安易に下げる薬を飲むのは非常に危険だということがわかります。というのもコレステロール降下剤は、肝臓でのコレステロール生成を抑えるというもの。それは全身の細胞の再生を抑えることにもなり、大切なホルモンの生成すら危うくなります。さらには骨の強化も損なうわけですから、デメリットのほうが多くなってしまう。実際、赤ちゃんが飲んでいるお母さんの母乳を調べると、25%がコレステロールです。そのくらい生きるために必要なものなのです。

コレステロール悪者説については、2005年頃から懐疑的な意見が増えてきています。それを受けてか、厚生労働省も2015年に食事摂取基準のコレステロール上限値を撤廃しています。血圧のためにコレステロール摂取を減らすのは、ご自身の体のために、今すぐやめてください。

塩分の摂りすぎで高血圧になる、コレステロールは悪者、は本当? 薬剤師が教える、案外知られていない血圧対策_3
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痩せている人は高血圧になりにくい?

他にも高血圧に関する間違った知識はたくさんあります。たとえば高血圧と体型の関係。皆さん、高血圧というと太っている人がなるもので、痩せている人はなりにくいと思っていませんか?でも現実は、痩せている女性にも高血圧の人はいっぱいいます。なぜなら筋肉量が少ないから。

血液を全身に送り出すポンプの役割を果たしているのは心臓だけだと思っている人が多いのですが、手足の末端まで血液を送り届けるには、筋肉という補助ポンプの力が重要です。痩せていて筋肉が少ない人は、当然筋肉という補助ポンプの力が弱いですから、心臓にかかる負担が大きくなります。心臓が頑張って血液を押し出すので、その結果、血圧は高くなる。

結局、太っている人も痩せている人も血圧が高くなる理由は実は同じで、筋肉が少ないからなのです。外からの見た目は関係ありません。


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140/90という基準値だけを迷信する危険性
血圧を下げるためにたまにはビールを?

『薬も減塩もいらない 1日1分で血圧は下がる!』(講談社)
加藤雅俊
塩分の摂りすぎで高血圧になる、コレステロールは悪者、は本当? 薬剤師が教える、案外知られていない血圧対策_4
2023/11/17
968円
160ページ
ISBN:978-4065340165
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「シンプルな体操で、血圧を下げる」と話題を呼んだ人気書籍が、
待望の新書化です。

【血圧は簡単な体操で下がる!】

血圧を下げるには、薬を飲むか、減塩するしかない……そう思っている方がほとんどでしょう。でも実は多くの場合、血圧は簡単な体操だけで下がるんです!

血圧が高くなる大きな原因のひとつに、血管が硬くなることがあげられます。そこで最近注目されているのが、血管を柔らかくする物質NO(一酸化窒素)です。NOにその働きがあることを発見した研究は、1998年にノーベル医学・生理学賞を受賞しています。

このNOの分泌を効率よく増やす体操を、薬剤師/薬学研究者で予防医学の第一人者である著者が考案。年齢、体力を問わず誰にでもできる簡単な体操を、本書で公開します!
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