服役もヤクザとしての仕事の一環

●別の指定暴力団幹部
一審で結論が出たら従う。控訴はしない。
ヤクザになって社会に迷惑をかけるかもしれない存在だから、警察に逮捕されて裁判所で結論が出たらそれに従う。控訴していつまでもぐずぐずしているより潔く服役するのがお勤めだ。それが渡世人というもの。ヤクザはムショ暮らしと背中合わせ。服役もヤクザとしての仕事の一環のようなものだ。

刑が確定した受刑者を刑務所に割り振るにあたって、犯罪傾向の進度が進んでいない者は「A級」、進んでいる者は「B級」と区分けされる。暴力団構成員は当然のようにB級に分類される。さらに、刑期が10年以上は通称でロングと呼ばれ、長期受刑者が多い刑務所に収容される。

B級を主に収容している刑務所は東京の府中や大阪、神戸、広島、福岡など大都市にある。恐喝事件で逮捕されて有罪判決が確定した六代目山口組の髙山清司若頭が服役していたのも府中刑務所だった。

読書好きのヤクザの親分が獄中で読む本とは…刑務所でのヤクザの日常_2
写真はイメージです

2019年10月に出所した際には、六代目山口組と神戸山口組が分裂し対立抗争の真っ最中の時期だったこともあり、新聞やテレビで大きなニュースとして報道された。B級を収容している刑務所では、受刑者の半分以上が暴力団関係者ということもあるという。

暴力団の対立抗争事件などが起きている場合は、対立する組織の組員同士が刑務所内で鉢合わせすれば、その場でケンカになりかねない。こうした事故が起きないよう刑務所で事前調査が行われる。

刑務所内の部屋は12畳の雑居房に6人が基本だが、受刑者が多くなると7~8人が詰め込まれる。