そんな中に、ドラマの主人公・比嘉暢子(のぶこ・黒島結菜)が飛び込むことになる。第27話(5月17日放映)では片岡鶴太郎演じる鶴見の沖縄県人会会長が登場し、沖縄からやってきたばかりで右も左もわからない暢子の世話を焼くが、いまでもそんな助け合いの心が残っていると下里さんは言う。
「名字で沖縄の人だとわかればすぐに打ち解ける。『いちゃりばちょーでー(一度会ったらきょうだい)』という言葉がありますが、その精神でつながるんです」
こうしていつしか鶴見は東日本でも最大の沖縄タウンとして発展してきた。現在、鶴見区の人口はおよそ29万6000人だが、うち2~3万人は沖縄ルーツだといわれる。そんな鶴見の沖縄人にとって、ひと旗上げようと上京してきた暢子の気持ちには共感できるものがあるようだ。
ちなみに暢子は沖縄の本土復帰後に鶴見にやってきたという設定なのでパスポートは不要だ。第29話(5月19日放映)では鶴見の沖縄料理店に下宿しながら都内のレストランで働くことになったが、今後はどんな展開になるのか楽しみである。
鶴見は「南米系沖縄人」の街でもある
鶴見区ではドラマ放映に関連してさまざまな取り組みが行われている。『ちむどんどん』横浜鶴見プロジェクト実行委員会を結成し、ウェブサイトやSNSで地元情報を発信。商店街や大学、自治体などと連携して、地域活性化への取り組みを進める。「おきなわ物産センター」では、記念切手やドラマガイドなど、関連グッズも売り出し、こちらも人気となっている。