実は被害が急増中のメッセージアプリのオープンチャット
今年10月、とある女子中学生の保護者によるX(旧Twitter)への投稿が話題を集めていた。娘が知らない男性とメッセージアプリのオープンチャットから個人IDに繋がっていたとのことで、その経緯や方法を紹介しつつ注意喚起を促していたのだ。
オープンチャットとは友達登録していない相手ともトークができるもの。XやInstagramといったSNSに比べて、安心・安全なイメージのあるメッセージアプリでも、未成年者と見知らぬ大人が繋がれてしまうというわけだ。
高橋氏によると、実際にオープンチャットを通じて小中高生が交友関係を広げる場合もよくあるという。
「すぐに消されてしまいますが、個人のQRコードやIDを載せたあと、スクリーンショットでその情報を控えさせ数名のグループを作成し、個人に繋げるという方法や、ツイートを貼ってXで繋がり、DMでLINE IDを交換するという方法などで、非常に簡単に個別に繋がることができてしまいます。
子どもたちがSNSで年齢や学校といった個人情報を明かさずとも、悪意を持った大人が『宿題』『二学期』などチャットで使っている単語や出没時間から予測し、おそらくこの子は小学生だろうと狙いを定め、小学生のふりをして近づき親しくなっていくという事例もありました。この他にもオンラインゲームなど、いまやありとあらゆるサービスでメッセージ機能がついており、ボイスチャットもできます。
ペアコントロールやファミリーリンクアプリを入れて管理することもできますが、実は制限の解除方法や抜け穴はネット検索ですぐに出てきてしまうので、絶対的に安全とは言い切れません。被害を未然に防ぐために、些細なことでも子どもが親に相談しやすい関係性をふだんから築いておいてほしいものです。
そして子ども自身にもSNS被害の危険性を理解してもらうために、SNS利用のリスクや、実際にあった被害について教えていくという、ITリテラシー教育をしっかりと行う必要があるでしょう」
取材・文/逢ヶ瀬十吾(A4studio) 写真/Shutterstock