2017年8月、たまたま見ていたテレビ番組に筆者は釘付けになった。秋元康氏プロデュースによるオーディションバトル番組『ラストアイドル』(テレビ朝日)だ。メンバーの座をかけて、暫定メンバーと挑戦者がパフォーマンスバトルを繰り返した末、年末に7人のメンバーが決まり、究極のアイドルグループ「ラストアイドル」がデビューした。
その後もさまざまなバトルを続ける彼女たちの健気な姿を放っておけず、気づけばライブイベントに足繁く通い、100枚以上のCDを買って握手会の列に並ぶようなファン、いわゆるヲタクになっていた。
紆余曲折を経て、現在は全31名のメンバーで構成されるラストアイドル。11枚のシングルをリリースし、約5年間の活動を経て、5月末に活動を終了する。
今までの活動の思い出、さらには5月29日に開催されるラストコンサートへの思いを、阿部菜々実、間島和奏、橋本桃呼、篠原望、グループで中核を担う4人のメンバーに語ってもらった。
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ラストアイドルは「戦い続けるアイドル」
――イベントやライブの準備で忙しい中、ありがとうございます。まずは皆さんの思う、ラストアイドルのアイデンティティーや他のアイドルにない特徴を教えていただけますか?
阿部菜々実(以下、阿部) 一言でまとめるのはめちゃくちゃ難しいんですけど、「挑戦し続けるアイドル」って思います。企画だったり選抜オーディションだったり、こんな決め方する?みたいな、常に予想外のことが起こり続けているというか。アイドルらしからぬことで悩むことも多かったですね。
間島和奏(以下、間島) 私は「飽きないアイドル」だなって思います。アイドルを知らない方からすると、アイドルって清楚、かわいいなどのイメージがあると思うんですけど、ラストアイドルはバトルや“歩く芸術”とも言われる団体行動、高難度のダンスなど、曲のたびにいろんなことをやってきました。
普通は、初披露で曲やダンスを見るものだけど、ラストアイドルは先に企画が発表されて、その企画をメンバーが乗り越えるところをファンや視聴者の方々が見てから曲になって売り出されるので、どの曲にもそれぞれの重み、ストーリーがあると思います。
橋本桃呼(以下、橋本) 「常に斜め上を行くグループ」だとずっと思っていました。インドのボリウッドダンスや刀を使った殺陣(たて)、すごく難しいダンスとか。企画発表があるたびに「そこいく?」って。まっすぐ上ではなく、ちょっとなんか曲がって斜め上をいく、他のアイドルたちがしていないことを全力でやっているというイメージがあります。
篠原望(以下、篠原) 「戦い続けるアイドル」です。表題曲のバトルや挑戦だけでなく、売り上げや配信のバトルもたくさんあって、常に何かと戦い続けて進んできたなと思います。振り返ってみると、バトルしているのは私たちメンバー自身なんですけど、ファンの皆さんと一緒に戦っていたんですよね。皆さんに応援してもらいながら、自分を成長させることができたのかなって思います。