TikTokとかに投稿してるんでこれも注目されるかも
渋谷の予想外の盛り上がりにテンションが上がり、女性に声をかけまくっていたのは、はっちゃけた姿の19歳男性だ。
「ここ数日は私服で様子だけ見てたんですけど、昨日とか本当にすごくおとなしくてひどかったですよ。でも今日はハロウィーン当日だからと思い切った格好で来てみたら大正解でした。去年は気づいたら横に女の子がいるってアツい展開もあったんで、今年も狙っていきますよ」
路上に子供用のビニールプールのなかに椅子を置き、そこで無料で散髪してくれるフリーカットパフォーマンスをする男性もいた。本人はお客さん相手にカット中だったので友人が答えてくれた。
「彼はいつも覆面でフリーカットをパフォーマンスとしてやってるんですけど、今日はハロウィーンなんで自分の服装も相まって盛り上がると思って来たみたいです。このパフォーマンスもTikTokとかに投稿してるんで注目されるかもしれないですね。今日は思ったより仮装姿の人がいるので、彼も浮かなくてよかったんじゃないですかね(笑)」
盛り上がりに物足りなさを感じていたのは、20代のポリス姿の男女だ。
「今年はやっぱり仮装してる人が少ないですね。他の年に比べたら全然ですよ。それに路上飲酒禁止だからか陽気さが足りてない感じしますもん。去年なんて知らない人が、近くにいたからってノリでケバブおごってくれましたから」
SFアニメ『コードギアス反逆のルルーシュ』のルルーシュのコスプレをする20代の男性も、「仲間がいない」と肩を落とした。
「今日は友人が渋谷で仮装したことないって言うんで、経験者である自分が連れて来たんですよ。でも例年に比ると、完成度の高いコスプレの人全然いないですよね。そういうコスプレを見るためだけに毎年渋谷ハロウィーンに来てたんで、結構悲しいですよ。来年はもう来ないかもしれないですね」
黒猫の仮装をした2人組の女性は、渋谷ハロウィーンの盛況を期待せず、あえて深夜に来たという。
「絶対しらけてるだろうからクラブ目当てで遅めにきたんですよ。そしたら案の定、まだ0時なのに通りにはもう全然人がいない、去年まではこんなことありえなかったですよ。お酒もガンガン飲めたし楽しかったんですけどね。ちょっと立ち止まっただけでも注意されるし、メガフォンがうるさいんで普通に歩いてるだけでも気分下がります」
これまで渋谷区は「ハロウィーン目的で渋谷には来ないでほしい」と散々、呼びかけていたがそれでも若者たちは渋谷に集まった。彼らの多くが「自分たちは仮装しているだけで誰にも迷惑をかけてない」と、区の規制体制に真っ向から反論していた。