「出来のいい仮装も見かけないんで拍子抜けです」
20時、駅周辺こそ誘導のため人混みがあるが、コスプレ姿の若者はほとんどいなかった。コスプレをせずに渋谷に来ていた若者たちに話を聞いた。
「土曜日なんで普通に渋谷に買い物にきただけです。だからもう夕方には帰ろうって話で駅に来てみたんですけど、ハチ公口閉鎖されてるなんて知らなかった。あれだけ渋谷に来るなって報道されてますから、それで仮装してきて万が一ネットにでも流れたら世間の笑われ者だし叩かれるかもしれないじゃないですか。それでも仮装してくるのはよっぽどのバカじゃないですかね。今のところ全然仮装してる人を見ないですけど、夜遅くなったら現れるかもしれないんで、もう今日は予定通り帰ります」(20歳・男子大学生)
「仮装してる人いたらおもしろいね、なんて話してたんですけど、仮装してるのは外国人ばかりですね。それもかなり少ないし、すごく出来のいい仮装も見かけないんで拍子抜けではあります。しかも仮装してる人に警察が注意してるところも見かけたんで、渋谷区も本気なんだなって思いました。まあでもずっとこのまま街が落ち着いてるとは限らないんで、遅くならないうちに帰ろうと思ってます。夜遅くなってきてナンパとかされても面倒なんで(笑)」(23歳・アパレル会社勤務女性)
「仕事が休みなんで飲みにいこうよって話になって、それならナンパもできるかもしれないしってことで渋谷に来てみたんですけど、酔ってるどころか仮装してる女の子も全然見かけないし、ちょっとこれは望み薄ですかね…。男も含めて浮かれて騒いでる人なんて1人も見られなかったですよ。これから飲みに行くんで、夜遅くなってからまた様子見てみようと思ってます。
でもこれだけ渋谷区がハロウィンのバカ騒ぎに対抗してくるとは思わなかったんで、すごいですね。去年なんてこの時間にはもっとお酒飲んで歩いてる人いたし仮装も多かったから、自由度が全然違いますもん」(23歳・会社員男性)
大きなトラブルもなく、例年とはまったく景色が違った今年の渋谷ハロウィーン。商店街からは安堵の声が聞こえてきたが、道歩く若者たちはどこかがっかりしていたようにも見えた。
(後編に続く)
取材・文・写真/集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/soichiro Koriyama