「出家説」がいくつかの媒体で報じられたが…

今回の初公判について、司法記者がこう話す。

「猿之助被告が容疑を認めていることなども踏まえると、裁判は長引くことなく、年内には結審するとみられています。量刑については無罪は難しくとも、執行猶予はつくのではないかともいわれている。猿之助被告はこれまで、警察の事情聴取に『週刊誌にあることないことかかれた。家族と相談して、一緒に死んで、次の世界にいこうとなった』と、家族会議の末に一家心中を図ったことを明かしています。その理由に関しては事件当日に発売された週刊誌による『性加害報道』が原因だったともいわれていますが、まだ謎は多い。そんな中、彼が肉声で、何を語るかが注目されている」

特に注目されているのが、彼が自身の「職業」を公判でどう語るかについてだという。

「公判では、現在の職業について必ず聞かれるのです。そこで『無職』と答えるのか、それとも『俳優』と答えるか……。それにより彼の現在の心境や、今後、復帰の意思があるのかどうかまで、ある程度推測することができる」(前出・司法記者)

猿之助被告の今後はどうなっていくのか。ベテラン演芸記者がこう話す。

「仏教徒として信仰心が強く、事件の際にも『次の世で会おう』と書き残していた猿之助だけに『出家説』がいくつかの媒体で報じられました。しかし松竹としては、チケットが売れる猿之助をなんとか復帰させたいと考えており、逮捕後も、契約解除などは行っていません。

撮影/共同通信社
撮影/共同通信社

猿之助が逮捕された後、澤瀉屋の屋台骨を支えている、従兄弟の市川中車こと香川照之(57)はたいそうな努力家で、演技者としては天才肌なのですが、いかんせん、歌舞伎を始めてからまだ10年と経験も浅く、当然、四代目のような集客はできない。七月大歌舞伎で猿之助の代役を務めた『菊宴月白浪』では、本人は演技に大満足していたそうですが、客席は3割程度しか埋まらず、松竹が関係者にチケットを大量にばらまいていたほどです。

そのため松竹としては、猿之助の役者復帰は無理でも、せめて演出やプロデューサーなどの裏方として戻ってこれないかと考えており、一説には『ボランティア活動などで禊をしてから活動を再開するのはどうか』といった案も出ているとか。

しかし、その時期や内容によっては本人だけではなく、松竹にとっても大逆風となる可能性も高いので、しばらくは、世論を見ながら“静観の姿勢”を取ると聞いている」

審判はどのように下されるのか――。

撮影/集英社オンライン
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班