バッファロー一族唯一の生き残りのバッファローマン
バッファローマンのルーツをさらに紐解くと、その先祖は、超人界きっての名門一族だったことが明らかになっている。超人古代史にも明るいレスリング解説者のタザハマヒロシ氏が指摘する。
「かつてのバッファロー一族は、現在のキン肉族に負けないくらい隆盛を極めていたそうです。頭に生えた角が象徴的な民族で、最盛期は一国を形成するほどに繁栄。キン肉族と同じく王政が敷かれ、民衆を束ねる大王が存在したとされています。ところが、やがて王位を巡って一族間の諍いが絶えなくなり、長期間にわたって醜く無益な内紛を繰り返した結果、一族は衰退し、やがて王国も崩壊してしまったのです。血脈は細々とつながれてきましたが、今や最後の一人に。それがバッファローマンなんです」
一族に起きた悲劇については、過去にバッファローマン本人も言及している。それは、キン肉マンソルジャーチームの一員として参加したキン肉星の王位争奪サバイバルマッチで、スーパー・フェニックスチームと闘ったときのことだ。
「その際、バッファローマンは、王位争奪戦に加わった理由として、キン肉族がバッファロー一族の二の舞にならないよう、正々堂々とリング上の勝負だけで決着をつけてもらいたかったと話しています。彼の中では、もし自分の一族が醜い王位争いで崩壊していなければ、今ごろバッファロー一族はキン肉族に比肩するスケールの勢力を維持し、超人界をけん引していたとはずだとの思いがあったようです」(同前)
バッファロー一族の唯一の生き残りにして、正義と悪魔、2つの顔を持ち続ける稀有な実力派超人バッファローマン。
状況次第で両陣営を行き来する厚顔な処世術は、節操のなさを悪目立ちさせるが、好意的に解釈するなら、正義と悪魔の〝調和〟を体現する唯一無二の存在といえるかもしれない。
なお、発売中のキン肉マン83巻(週刊プレイボーイ)では、天界より舞い降りた調和の神ザ・ワンとの闘いに敗れたバッファローマンが再びキン肉マンへの“裏切り”を表明するシーンが収録されている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
落花豆男
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#2 〈キン肉マン・ミートくんバラバラ事件〉不穏な破壊音と同時に体が裂け、四方に飛び散った…「生きたまま分解し、悪魔超人7人で7か所に拉致した奇怪な人質事件です」と宇宙警察
#3 〈キン肉マン事件簿〉悪魔と正義のあいだを臆面もなく行き来する…バッファローマン裏切の履歴書
キン肉マン 最新83巻ためし読み