「余計なこと」を言わないための暗示

言うまでもないことですが、人の幸不幸は、本人にしか決められません。

相手を心配して、ついお節介に「○○したほうがいい」「だから、○○な人はダメなんだよ」などと口走ってしまうこともあるかもしれませんが、そのお節介の正体は、実は単に自分の意見を言いたい、知らしめたいといった欲望なのかもしれません。

冒頭の例のように「恋人がいないなんて寂しい人だ」「早く結婚したほうがいい」「新しいことを始めるのに歳を取ってからでは遅い」などという考えを口にすることは、まさに自分の欲望をコントロールできない人というレッテルを貼られてしまってもおかしくはありません。

元ANAのCAが解説「早く結婚したほうがいい」「恋人がいないなんて寂しい」ステレオタイプで語る残念な人が守れていない言葉のマナーとは_2

「どうしても一言、言いたい」という欲望をうまくコントロールする方法としては、まず人と会う前に「余計なことは口にしない」「勝手な一言で一生、後悔する」といった暗示を、徹底的に自分にかけることです。

こうした暗示だけでも、お節介な意見を封印する、強力なストッパーとなります。たいていの場合、会話の前に「今日は余計な一言を言わないように注意しよう」などと意識していることは多くないでしょうから、試してみる価値は十分にあります。

次に「頭ではわかっていても、どうしてもお節介なことを言ってしまう」という場合には、相手の話を聞いている間、終始、唇の上下を軽く完全につけてしまいます(ただし、呼吸と表情は穏やかに)。

つまり、発声ができないという身体的な条件を作ってしまうという意味です。

唇への意識があれば、ストッパー効果が強化され、発言に対する慎重さが増していきます。つまり、一言一言に熟慮できる習慣へとなるのです。そうすれば、あなたが冷静に相手の話を聞くことのできる、落ち着いた聞き手だという安心感を与えることができるのです。