「(息子が)おらんくなった、おらんくなった」と騒いだ母

2年前に発生していた事件の着手がここまで難航した理由はまだ定かではないが、容疑者と祖母、被害者を巡ってはこうした複雑な背景があったことは確かだ。前出の植木さん方の近くの住民男性がこう語る。

「2年前に行方不明になったときは、植木さんのお母さんが『(息子が)おらんくなった、おらんくなった』と家で騒いで発覚したようです。それまでは逆に、お母さんが何度も徘徊して、植木さんが『どこか勝手に行って警察から職場に電話がきたこともあって大変じゃ』と心配していたんです。だから、あの人に限ってお母さんを置いて出ていくはずがないとは思っていましたが、彼女との間で何かトラブルでもあったのかなと考えたこともありました」

佐伯警察署(撮影/集英社オンライン)
佐伯警察署(撮影/集英社オンライン)
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植木さんが姿を消した後、認知症の母親を植木さんの妹が迎えに来たという。

「しばらくは自宅からお母さんの荷物を運び出しに来られていましたが、最近はめっきり見かけなくなっていたところでした。事件の報道を見たときは『こんなことがあるんじゃ』とびっくりしたけど、やっぱりお母さんを置いていなくなってたわけじゃなかったんだって思いました」

母親思いなだけでなく、世話好きで近所でも頼られていた植木さんと渡部容疑者の間に何があったのか。捜査はまだ始まったばかりだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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