【関連記事:防衛大現役教授が実名告発】
#1 自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件
#2 防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育
【シリーズ:防衛大論考――私はこう読んだ】
#1 望月衣塑子
#2 大木毅
#3 現役教官
#4 石破茂
#5 石原俊
【元防大生の声】
#1 上級生が気の利かない下級生を“ガイジ”と呼びすて…
#2 「1年はゴミ、2年は奴隷、3年は人間、4年は神」
#3 <上級生パワハラの実態>「敬礼汚ねえよ。叫びながら10回敬礼しろ」
【防大生たちの叫び】
#1 適性のない学生と同室で…集団生活の“地獄”
#2 女子学生へのセクハラ、シャワー室の盗撮、窃盗事件…
告発に対しての学校長所感への思い
さる6月30日に、論考『危機に瀕する防衛大学校』を公表してから、約2か月が過ぎました。
その間、最初に私のインタビューを掲載した集英社オンラインでは『防衛大論考――私はこう読んだ』と題した続報が打たれ、大木毅氏(現代史家)や石原俊氏(明治学院大学教授)、石破茂氏(元防衛大臣)など、アカデミアや政界の有識者が私の主張に対する見解を発表して下さいました。各氏に感謝します。また、なにより心強かったのは、私の論考を補足してくれた現役教官の言葉でした。そして、任官辞退者たち、退校者たちの声には胸が痛むばかりでした。
この度、集英社オンラインに寄稿する理由は「さらなる告発のため」ではありません。これからしばらくの間、私は「組織の内側からの改善」に専念することを決めたため、それに至った経緯をご報告する必要があると考えました。
私が論考を公開してから約2週間後の7月14日に、防大の学校長である久保文明氏が、防大の公式サイト「本校教官の意見発表に対する防衛大学校長所感」(以下『学校長所感』)を公開しました。そこでは、等松論考は「大筋で的外れでないか」と結論付けられています。
しかしながら私は、公表された『学校長所感』への反論は控えました。たとえ方向性が異なる部分があるにしても、久保氏が学校長として、これまでの経緯から問題山積の、防大の改革に乗り出していること自体は事実だからです。
そのようなしだいで、先月、以下のような問題意識で―――メディアを通じてではなく―――防大執行部【1】に改善案を提案しました。