「異性に関心を持つのは良くない」にとらわれない

「飲む・打つ・買う」の、最後の項目「買う」。

本書で論じる「買う」とは、異性に対して関心を持つこと全般を意味します。

シニア世代になると性や恋愛にのめり込むのはみっともないと言われることも多いのですが、脳の視点から見ると、むしろ反対。

性的な興奮や恋愛の高揚感は、脳には最高の刺激になりますし、男性ホルモンを増やす良い契機になります。

男性ホルモンは、性的な能力以外にも意欲やモチベーションを司るホルモンですが、男性の場合は年齢とともに分泌量が低下していきます(女性は逆に閉経以降、男性ホルモンの量は増えていきます)。

なお、男性の場合は、男性ホルモンがあまりに低下すると、「LOH症候群」と呼ばれる男性更年期の症状に陥ることもあります。

LOH症候群に陥ると、性欲減退はもちろん、体力や気持ちも落ち込み、人によってはうつ病に近い症状が現れます。こうした症状を防ぐためにも、男性ホルモンは若々しくいるためには欠かせない存在です。

そして、男性ホルモンを分泌させる上で効果的なのが、性欲や恋愛によって得られる〝ときめき〞です。

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かといって、別に「積極的に不倫や浮気をしなさい」と提言するわけではありません。

抵抗がない人であれば風俗に行くのもいいですが、セクシュアルな動画などを見るだけでも脳には刺激が伝わります。

大切なのは心理的な〝ときめき〞ですので、心の中で好きな人をつくるだけでも、効果はあります。たとえば、老人ホームで、それまではヨボヨボのおじいさん・おばあさんだった人たちが、好きな異性ができた途端に、急に肌艶が良くなるというのもよく聞く話です。

異性と会話をするだけでも、十分です。男性ならばキャバクラやスナックへ行って若い女性と話すのもいいし、女性ならばホストクラブへ行って、かっこいい男性と話すだけでもいい。

昨今、話題になっている〝推し活〞もいいでしょう。好きなアイドルのライブへ行ったり、握手会へ行ったり、DVDを見たりするだけでも、全く効果は違います。

とある閉経を過ぎた私の知人女性は、大好きな男性歌手のコンサートへ行って、大興奮。感動のあまりに涙を流した翌日には、何と生理が復活したと語っていました。

普段から異性の目を配慮して身だしなみに気を配ったり、〝モテたい〞という意欲を持ったりするだけでも効果はあります。

「いい年をして異性に関心を持つのは良くない」などという社会が決めた道徳観にとらわれる必要はないのです。

文/和田秀樹 写真/shutterstock

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【目次】
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第2章 医者や健康診断に騙されるな
第3章 若作りで老化を食い止めよう
第4章 好きな趣味に没頭して前頭葉を刺激すべき
第5章 やりたい仕事を気楽に楽しむ
第6章 お金を使いまくって幸せに
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