エクセル世界一に輝いた女子高生から学ぶ驚異のグラフ術_a
福岡県立八幡高校に通う中園愛美さん。昨年開催された「マイクロソフトオフィススペシャリスト世界学生大会2021」の「Excel365&2019」部門で世界一に

2021年11月に開かれた、高校生以上の学生がMicrosoft Officeのスキルを競う「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)世界学生大会2021」において、福岡県立八幡高校2年生(当時)の中園愛美さんが表計算ソフト「Excel365&2019」部門で優勝した。日本人の高校生が世界一になるのは初の快挙だった。

同大会の試験時間は3時間半。ソフトに関する知識や操作スキルだけでなく、与えられた課題テーマに対する出場者自身の意見や、それを補足するための統計データの分析なども求められた。

「他の出場者とどう差別化するかを考えたとき、グラフの見やすさは必要だなと思いました。新聞や参考書などを基に、人々を惹きつけるグラフづくりを大会前にたくさん勉強しました」と中園さんは振り返る。

中園さんの強みは、グラフの「見栄え」。誰もがわかりやすいよう、できるだけシンプルにすることを心がける。それが世界大会本番でも活きた。そんな若き達人に、ビジネスシーンでも役立つエクセルのグラフ作成術を教えてもらった。

目に優しい色を使う

ビジネスの現場では、エクセルを使ってグラフや表を作成したり、それをプレゼンテーション資料に活用したりする機会は多い。けれども、パッと見ただけでデータの中身が頭に入ってくるようなグラフを作るのに苦労した経験を持つ人は少なくないだろう。

中園さんがグラフづくりにおいて何よりも気を付けているのが、その見やすさである。

「私は決してすごいことをしているわけではありません。まずはグラフを見て、ここの数値は高いとか、上がったり下がったりしているといった傾向をつかみます。その上で、強調したい部分の色を変えたり、補足説明の言葉を加えてみたりしています」

取り扱うデータの分量が多くなると、どうしても表示されるグラフやそれに紐づく数値の数も増えてしまい、乱雑で見栄えが悪くなってしまう。

「例えば、細い棒グラフがたくさん並んでいると見にくくなるので、グラフ1本1本を太くしたり、色をちょっと変えてみたりしています。あとは、グラフの数値の数を減らして、際立たせたいものだけに付けることもあります。その場その場でやり方は変わりますが、ごちゃごちゃしたビジュアルはやめて、シンプルさを心がけています」