良い医者かどうかは薬の相談で判断
60代になったら、意識していただきたいのが「病院や医者との付き合い方」です。
病院探しや医者探しの参考にと、近年、メディアが発信する「良い病院ランキング」や「良い医者ランキング」が注目されています。
これらの情報を頼りに探してみるのも良いのですが、人気の医者は順番待ちになるし、現実的に通えるエリアなのかを検証する必要もあります。中には、医療業界で力の強い病院や医者に高評価が入る傾向があるため、メディアの情報をうのみにするのも考えものです。
では、どうしたら自分に親身になってくれる、良い医者を見つけることができるのか。
最も簡単な見分け方としては、「その医者が薬の相談に対して丁寧に対応してくれるかどうか」だと私は思います。
薬の相談を聞き入れない医者は、駄目な医者
60代になると、肝臓や腎臓の機能が衰えるため、薬の代謝に時間がかかるようになり、若者世代と同じ量の薬を処方されると、薬の成分が体に残りやすくなってしまいます。ゆえに、薬を飲んで不調を感じる機会も多くなってきます。
それに対して、「医者から処方された薬だから」と素直に全部飲み続けると、知らず知らずのうちに体が薬漬けになって、体調をさらに悪化させる危険性もあります。そんな恐ろしい事態を招かないためにも、大切なのは、薬を飲んで不調を感じたら、まずは医師に相談することです。
「この薬を飲むと頭がぼーっとしてしまう」
「薬を飲んだ後は、体調が何となく悪いような気がする」
など、気になったことは速やかに伝えましょう。
そのとき、駄目な医者は「数値は正常だから大丈夫です」「どうしても副作用は起こるものなので飲み続けてください」などと取り合いません。一方で、きちんと患者と向き合う良い医者であれば、「別の薬を試してみましょう」「もう少し量を減らしてみましょうか」などと、別の方法を検討してくれます。
私のこのような医療に対する考え方への批判が、医者向けのサイトに載ったことがあります。それに対する反応を見ると、97%の医者はその批判に賛成していたので、そういう医者を探すのは至難のことかもしれませんが、みなさまには、ぜひ後者の「何でも相談できる良い医者」に出会ってほしいと思います。
文/和田秀樹 写真/shutterstock
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